邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に,たまにしょうもない趣味を綴っていく日記. 恥ずかしく読みにくい文章で申し訳ございません.コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する諸々のご意見は,ブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は174種(雌104種,雄67種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

カテゴリ: アリ

先日,帰省して佐賀に家族旅行に出かけた.

せっかくなのでと近くの山に登って篩いをしたが,これがもう乾燥しっぱなしでぜーんぜん虫がいなかった.

なんとか見栄えのするやつは,これくらい.
Vollenhovia benzai
嗚呼,なんと地味な虫か.これはフタフシアリでもマイナーな属,ウメマツアリの仲間のタテナシウメマツアリ(Vollenhovia benzai)だ.
体長約2 mm.少し赤っぽく,マットな彫刻で特にこれといった特徴がない.しかし,関西より西の約10県ほどでしか見つかっていない地味に見られない種だ.南に行くほど多く,福岡や佐賀では普通に見られる.私は愛媛では採集したことがないが,福岡では篩うと毎回のように採れ,この間は大学のキャンパス内で採った.
近縁のウメマツアリ(V. emeryi)は朽木の中や樹皮下に巣を作りその周辺でしか見つからないのに対し,本種は土の中に巣をつくりリターからよく得られる.西南日本のリター篩いでウメマツを採ったら,こいつかもと疑うべし.
Vollenhovia benzai2
本種の特徴はココ.近縁のウメマツアリでは大きく発達する板状の腹柄下部突起がないかほとんど発達しない.和名はこの板状突起を盾とし,それがないという意味で付けられたのだろう.

さて,書くことがもうない.地味な種の宿命,書くことがないのだ.生態写真がネット上にほとんどないので,皆さんぜひ採集して美麗な写真を上げていただきたい.
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ハチ会議の一週間前,実家に帰って採集に出かけた.ハチ屋らしくハチばかり採ったが,集中していて写真をほとんど撮っていないので撮影しやすい数が多くて動きのとろいアリさんたちをご紹介.
Strumigenys lewisi2
シフティングの常連,ウロコアリ(Strumigenys lewisi).こいつが採れなきゃ篩ってないも同然,良い採集地では必ずといって良いほど見られる.ハート形の頭に長い大腮が生える.小さくても造形は一級品のかっこいいアリ.
Strumigenys canina
同じくウロコアリ,ヒラタウロコアリ(Strumigenys canina)の女王.たいそうな扱いを受けることもあるが,西日本のちょっとした低地の林では普通.よく見ると盾みたいな顔がかっこいい.
Crematogaster nawai
低草本を歩き回るのはツヤシリアゲアリ(Crematogaster nawai).地上を徘徊するイメージが強いが,ちょっとした高さの草木なら登るようだ.大きいしツヤツヤしててかっこいい.

場所を変えて,河原.
Lasius yokuwakaranensis
ケアリ亜属の何か(Lasius sp.).カワラケにしては毛が少ないような…でもここではちゃんとしたカワラケも採れてるし……よーわからん!
Solenopsis japonica-major
トフシアリ(Solenopsis japonica).あのヒアリと同属だが,小さいし針は刺さらない.2型あって,こいつは大型の方.林内ではあんまり外を出歩いている姿は見ないが(見えない),河原だとトコトコ目立つところを歩いている.

最後に駅前の花壇.
Nylanderia amia2
ケブカアメイロアリ(Nylanderia amia).外来アリ.漆黒の体をしていてよく見ると太い毛がたくさん生えている.動きはめっちゃ早い.本来見つかってはいけないアリ.アメイロの中では大きいし真っ黒つやつやでかっこいい種ではあるんだが….


地元の中途半端な田舎でも,場所を変えればいろんなアリに出会える.いつも珍な人たちばかりを血眼になって探しているが,たまには普通種とのんびり過ごすのもいいかもしれない.
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夏がやってきて,自販機やビニコンも賑わってきた.
Camponotus vitiosus-female
よく見る大きなアリ.ウメマツオオアリ(Camponotus vitiosus)のメス.
Brachyponera chinensis-male
黄色くてハチみたいなやつ.オオハリアリ(Brachyponera chinensis)のオス.メスより圧倒的に見かける気がする.6月ぐらいから9月くらいまでダラダラ見られる.
Chthonolasius-male
●●アメイロケアリ(Lasius sp.)のオス.大腮が開いてたから分かると思ったけど写真じゃ無理だった.標本見た後ちゃんと書きます.翅の根元が黒い.アメケとクサアリはオスメスともにこんな翅なので,ただのLasiusと混じってても一見して分かる.
Colobopsis nipponica-female
ヒラズオオアリ(Colobopsis nipponica)のメス.大型ワーカーが頭で巣に蓋をすることで有名だが,メスも同じく裁断されたような顔面を持つ.
Colobopsis nipponica-male
同オス.オオアリと違って梗節がボコっとして目立つ.アリの梗節は鞭節と変わらない見た目のものが多いけど,コイツ含め一部はちょっと違う形をしている.そういうとこ含め夏に灯火で見られるアリではオオズのオスにちょっと似てる.

このページはそれっぽい種のそれっぽい写真が撮れたら随時追加しようかな.
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地元の虫を調べたいと思い,市民いこいの場である森林に向かっていたある日のこと.

道路脇の下草を申し訳程度にスウィープすると,黄色いアリが入った.
とても小さい.そして素早い.最初に頭に浮かんだのは,コヌカアリ(Tapinoma saohime).そんなに見たことはなかったが今までも何度か採集していたし,一番可能性があった.
しかし,よく見るとお腹がツヤツヤしている.こんなんだったっけ?不思議に思ってカメラで一枚撮って拡大して見てみる.

おや?なんだか違和感が……んん?これは……もしかするともしかする!?
さきほどスウィープした草を見てみる.歩いている.間違いない.
Plagiolepis flavescens
ヒメキアリ(Plagiolepis flavescens).突如として目の前に現れた半年ぶりの初採集種であった.
ヒメキアリはPlagiolepis属に属し,日本からは2種が知られる.一種は小笠原と南西諸島で見られるウスヒメキアリ(P. alluaudi),これは本土でも植物園のような環境でたまに見られるようで,ネット上にいくつか写真が見られる.
Plagiolepis flavescens2
そしてもう一種がヒメキアリ(P. flavescens)だ.古くは対馬と福岡県の遠賀町でのみ確認されていた種で,現在も広島県,山口県,愛媛県,福岡の平尾台で追加されたのみの局所的な分布を示す種である.
ネット上どころか書籍にも生態写真は載っておらず,今までは標本写真でのみ姿を見ることのできたアリである.
small ants
そのまわりにいた小さい黄色っぽいアリと比べてみる.左からアメイロ,サクラ,ヒメキ,キイシリ,ヒラフシ.
これまで小さいと思っていたこれらの種よりも,小さい.実はめちゃくちゃ小さいアリなんじゃないだろうか.
ちなみに,日本における本属の生活史はほぼほぼ不明で,コロニー構成数や,オス,メス,結婚飛行の時期など基本的な情報すら不明である.対馬では,低草本の蜜に群がることが観察されているだけ.このアリは対馬では普通というのがアリ界の常識だが,私は対馬に行ったときにスウィ―ピングもイエローパンもしたのに一匹も見ることができなったため,今はそんなに多くはないのでは?と思う.
Plagiolepis flavescens1
珍しいアリ,というわけではなさそうだが,日本では多くの人が目にしたこともないアリが,地元の山にいた.
それが衝撃だった.機会さえあれば,小学生のときにも目撃できた可能性だってあったはずだ.
しかし,今になってから出会えて良かったと思う.その頃に出会えていても,その素晴らしさを理解できていなかっただろう.
未知との出会いはこんなにも身近に潜んでいる.そして,未知を解明するチャンスも身近に与えられた.これは,調べるしかないだろう.やるべきことが,また一つ増えたのだった.
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アリからのメッセージ 今井弘民 著 1988 裳華房 176pp.

引っ越し中,廃棄処分になるところを引き取った.
80年代後半に出た本らしいが知らなかったので,通学の時間を使ってだいたい1週間くらいで読み終えた.
内容は海外調査の思い出と研究内容の説明,保守的なお年寄りに研究を認めてもらえない嘆きと気鋭の若手研究者への批判で構成されていた.差別用語の多さは時代のせいか.

自分が(僅かながらも)勉強してきた分野と全く違う畑の方のお話だったので,とても興味深かった.対象一つとっても,色んな捉え方があることを知った.手軽に読めるのも良かった.
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