邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に綴っていく日記. コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).本ブログに掲載の物事はほとんどが未発表のものであり,報文・論文への引用は固くお断りしております.引用が必要な際は状況により情報を提供いたしますので,メッセージにてご連絡くださいませ.画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する御意見はブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は197種(雌124種,雄75種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2018年09月

参加してきました.かなり準備不足だったがなんとかなんとかした.

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残念なことに九州には虫がいない.いると言う人もいるが,大体が他所から遠征にやって来た人で在住者にその意識はまるでない.そりゃ宮崎や鹿児島の照葉樹林,大分や熊本の草原のような"いいとこどり"だけしていればいるように見えるだろう.住んでて面白い虫を見つける人もいるが,常識的に考えて,どれだけつまらない環境でも100回も200回も行けば1つくらい何か面白いものがいなければおかしな話だ.

他県住まいの皆さまの九州遠征の主戦場は九州山地や大隅半島だ.そこへ行っては楽しかったと帰っていくし,九州は面白い,九州の人はこんなとこが近くて羨ましいなどと耳を疑う言葉を残していくが,我々北部九州民にとっては九州山地ですら2, 3時間,大隅に至っては5時間近くも要する遠方なわけで,同じ時間を東京に当てはめると南アルプスや蔵王まで行けてしまう.どこに山形や長野に行って関東は虫が多くて楽しいね!なんて言う人がいるだろうか.

好採集地へ足を運んでくださる皆さまの九州と我々の九州の感覚の問題が解決したところで,北海道から南西諸島まで採集に行った感想としてはやはり九州は圧倒的に虫が少ない.網に入る虫の数が他地域に比べて相対的に少なすぎる.いい環境に行けばそれなりに虫が入るが,本州の同じような環境なら5倍は入るだろう.それは大隅や九州山地でも同じである.南方系の虫が採れるというが,それなら南西諸島に行けばいくらでも採れるだろう.しょせん内地の一部である.かつて環境が良かったはずである昭和時代に九州で採集をおこなったハチ屋たちもその報告中で口を揃えて虫の少なさと多様性の低さに驚いていることからも少なくとも私だけの思い込みではない.

つまるところ,九州にはアイデンティティが不足しているのだ.個性がないうえに勉強もスポーツもできないダサい不良崩れといったところだ.しかしどんな人間にも少数の酔狂なファンがつくのと同じく,今日の九州に虫がいる,魅力的だと言っている人はまさに漫画では人気投票最下位キャラ,アイドルグループではソロパートを与えられない後列メンの熱狂的なファンなのだ.そういう人もいるよね,と多様性は認めざるを得ない.しかし,いくらその良さをアピールされても私には人気者の本州の採集地や虫たちの輝きに霞んだ九州や九州の虫たちを魅力的に思うことはできない.
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Isodontia harmandi
アルマンアナバチ(Isodontia harmandi).アルマンの名を持つ大型のアナバチ.黒い体に目立つ赤い後脚を持つ.
普通種だが,ほんとにほんとにほんとにほんとに恥ずかしいことに今年になるまで採ったことがなかった.
いろんな人に言われたが,これは弁解の余地なしである.なんで今まで採れなかったのか不思議でならない.

ハチはあまりにも採っていない普通種が多すぎて初採集で一人感動していると毎回呆れられている.
同じ日にフタスジスズバチ(Discoelius japonicus)も初めて採集して感動していた.未熟者もいいところである.


P. S. ネキ ネキダリス ホソコバネカミキリ アルマン クロホソコバネカミキリ
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