邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に,たまにしょうもない趣味を綴っていく日記. 恥ずかしく読みにくい文章で申し訳ございません.コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する諸々のご意見は,ブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は174種(雌104種,雄67種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2018年06月

強風の中,セミの幼虫がケヤキを登っては落ちていたので持ち帰る(3年ぶりの観察).
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立派に羽化した(♀).小雨が降っていたが,元気よく飛んでいった.
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少し前の話だが,研究室の同期の子と採集に出かけた.彼とは前々から一緒に採集行こうよ,という話をしていたが,4月末に私がベトナムに,彼はタイに行き,ちょうど彼が帰国したころはキャンパス移転準備が佳境で,忙しくていけなかった.

せっかくできた休みの日は,土砂降りで流れてしまった.移転しきってしまうまで行けないのでは?そんな不安がよぎったとき,光が差した.次の日は予報が外れ晴れたのだ.ダメ元で予定を立てておいて正解だった.
大学の最寄り駅で落ち合い,私鉄に乗って東方へ.

電車を降りてバスを乗り継ぎ,登山口付近で降りて,てくてく歩きながら喋りながら.彼はしっかりしていて,ビジョンも見えていて,何よりいろいろなものを吸収しようという意欲が感じられる.いつの間にか失っていたものだ.いろんな(いろんな)経験ですれてしまった自分は,彼と話しているといつもハッとさせられる.
Camponotus yamaokai
登山口に向かう途中で見つけたオオアリ.多分だけどヤマヨツ(Camponotus yamaokai).

登山口に到着すると,二人しておもむろに篩いを取り出し,採集開始.二人とも篩っているせいか,足がすごく遅い.
Pristomyrmex punctatus
しかし,開始数分,虫がよく採れる.さすが,地元大学の歴代学生さんたちが御用達にしていた山だ.いろんな虫が記録され,タイプ産地にもなっている.標高は低いが,侮れない.2年前登ったときは大したもの採れなかったが,今回は期待できそう.
Ponera kohmoku
マナコハリアリ(Ponera kohmoku).わりと縁のある種だが,博多では初採集かも?意外なことに,この山では記録されていなかった.
薄暗い林縁のリター層を篩うと,一篩いにつき3,4匹のアリヅカムシが落ちる.こんなに採れるのはヤのつく虫を採った松山の低山地くらいだ.あそこと同じくらいリター層が豊富だ.良い良い.とにかく甲虫がいっぱい落ちる.甲虫が多いとことアリが多いとこは違っていて,今回はアリはそこそこに甲虫でいいのを採ろう,そう決めた.
mukugekisui2
ムクゲキスイ.多分いつものクリイロ(Biphyllus throscoides).
tibiside
他のクリイロだと思っていたものは,全部チビシデムシだった.生態写真撮り損ねた.
Tamakinokokana
頭と胸が赤い.これはタマキノコ?
Zomusi
交尾するゾウムシ.あれだけ篩いでグワングワンされても揺るがぬ愛.
Proceratium itoi2
イトカギ(Proceratium itoi).めっちゃ多かった.これまでにないくらい見た.バットの上でなく,地面を歩いている個体を見たのは初めてだった.

だいぶ足が疲れてきたので,昼ご飯.アリヅカムシはぼちぼち採れているようだ.
食べるの遅くて待たせてしまった.場所を移して採集再開.
Pheidole fervida
アズマオオズアリ(Pheidole fervida)が歩いているのが見えた.愛媛では平地は勿論,山でも標高が100 mを切るようなとこでは絶対に見られないけど,福岡はけっこう低いとこでも見られる.
Pheidole pieli minor
篩いではやたら小さいのが採れた.うわ,ちっちゃいな~と思っていたら,Pheidole pieli
これまた小さめなメジャーワーカーが.あれ?これはfervidaじゃないね.ヒメオオズアリ(Pheidole pieli)でした.福岡は南の島九州に位置するので,ヒメオオズも結構見られる.こちらも愛媛では南部の海岸付近の森林(と松山城)でしか見つかっていないくらい少ない.

再び篩いに戻る.
Sternodea japonica
ちょこまかとなんか良さげな甲虫が歩いている.さきほどのムクゲキスイよりは少し小さい.既視感があるが,甲虫をその場で同定できるほどの力はない.
Sternodea japonica2
顕微鏡で見るとこんなんだった.いい形してる.以前採集したダエンキスイに似てるけど,ちょっと違う.
おお,これがフタフシセマルキスイ(Sternodea japonica)か.いいね.
Mozartius uenoi
Mozartius uenoi2
マグソコガネも採れた.まず,いくらでもいるクロツツマグソコガネではない.年始にツルグレンで採ったのとも体型が違う.うーん,なんだ?赤味がかった体,鞘翅にいくつも走るラインがカッコいい.
Mozartius uenoi3
先輩が詳しかったので後日うかがうと,ウエノマルマグソコガネ(Mozartius uenoi)とのこと.おお,これがあのモザか.亜種分けされてるようで,これは九州亜種(M. uenoi hadai)だったと思う.
Polyrhachis moesta
腰が痛くなってもう篩いはボチボチ終了モード.その辺の葉っぱにいるやつとかを撮り始めた.これはチクシトゲアリ(Polyrhachis moesta).カッコいい.
Tetramorium nipponense
キイロオオシワアリ(Tetramorium nipponense).薄暗い林縁の葉っぱの上にいる.

そろそろ帰りたいな…そう思ったとき,目の前をハチっぽいものが通過.ん!?と思って目で追うと,それは地面に降り立って地中に消えた.よく見ると,穴が開いている.これは有剣類の巣だ.
ジーっと待っていると,穴から少し触角が動いているのが見えた.覗き込むと,Cerceris sp.
可愛い.ツチスガリかな.絶対捕まえてやるぞ,と意気込んで吸虫管を口に,ハチが出てくる瞬間を待つ.
ちょっと出てきそうだな,と思っても,近くに人間がいることを察知してか警戒して出てこない.
15分ほど,息をのむ駆け引き(とまではいかない何か)が続いた.警戒されまいと大きく体を引いたとき,ヌルっと穴から出てきて瞬時に飛んでいってしまった.間に合わなかった……蚊に献血しただけで何も得られず,ものすごくブルーになった.

これで集中力が完全に切れてしまい,もうそれから2,3回篩っただけで採集は終わった.
終わったときは,酷い成果だ,何も採れなかったな……と思っていたが,上の通り,そこそこ良いものは採れていた様子.一番嬉しかったのは良さげなコケムシ.あれは良かった.アリヅカムシも27匹採れ,全部彼に献上した.うまく扱ってくれることだろう.あと,一緒に採集に行ってくれてありがとう.
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地元の虫を調べたいと思い,市民いこいの場である森林に向かっていたある日のこと.

道路脇の下草を申し訳程度にスウィープすると,黄色いアリが入った.
とても小さい.そして素早い.最初に頭に浮かんだのは,コヌカアリ(Tapinoma saohime).そんなに見たことはなかったが今までも何度か採集していたし,一番可能性があった.
しかし,よく見るとお腹がツヤツヤしている.こんなんだったっけ?不思議に思ってカメラで一枚撮って拡大して見てみる.

おや?なんだか違和感が……んん?これは……もしかするともしかする!?
さきほどスウィープした草を見てみる.歩いている.間違いない.
Plagiolepis flavescens
ヒメキアリ(Plagiolepis flavescens).突如として目の前に現れた半年ぶりの初採集種であった.
ヒメキアリはPlagiolepis属に属し,日本からは2種が知られる.一種は小笠原と南西諸島で見られるウスヒメキアリ(P. alluaudi),これは本土でも植物園のような環境でたまに見られるようで,ネット上にいくつか写真が見られる.
Plagiolepis flavescens2
そしてもう一種がヒメキアリ(P. flavescens)だ.古くは対馬と福岡県の遠賀町でのみ確認されていた種で,現在も広島県,山口県,愛媛県,福岡の平尾台で追加されたのみの局所的な分布を示す種である.
ネット上どころか書籍にも生態写真は載っておらず,今までは標本写真でのみ姿を見ることのできたアリである.
small ants
そのまわりにいた小さい黄色っぽいアリと比べてみる.左からアメイロ,サクラ,ヒメキ,キイシリ,ヒラフシ.
これまで小さいと思っていたこれらの種よりも,小さい.実はめちゃくちゃ小さいアリなんじゃないだろうか.
ちなみに,日本における本属の生活史はほぼほぼ不明で,コロニー構成数や,オス,メス,結婚飛行の時期など基本的な情報すら不明である.対馬では,低草本の蜜に群がることが観察されているだけ.このアリは対馬では普通というのがアリ界の常識だが,私は対馬に行ったときにスウィ―ピングもイエローパンもしたのに一匹も見ることができなったため,今はそんなに多くはないのでは?と思う.
Plagiolepis flavescens1
珍しいアリ,というわけではなさそうだが,日本では多くの人が目にしたこともないアリが,地元の山にいた.
それが衝撃だった.機会さえあれば,小学生のときにも目撃できた可能性だってあったはずだ.
しかし,今になってから出会えて良かったと思う.その頃に出会えていても,その素晴らしさを理解できていなかっただろう.
未知との出会いはこんなにも身近に潜んでいる.そして,未知を解明するチャンスも身近に与えられた.これは,調べるしかないだろう.やるべきことが,また一つ増えたのだった.
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ベトナム7日目.この日はなんとか曇りで済み,とりあえず朝から採集が行えて一安心.
前日もそんなに雨は降らなかったので,一応スウィープも出来そうだ.その辺の草葉を見て水っ気を確認.
Technomyrmex brunneus
なんかいっぱいいる.アシジロヒラフシアリ(Technomyrmex brunneus).沖縄とか鹿児島にも侵入している種.あちこちに長蛇の列を作っている熱帯の普通種.
Polyrhachis demangei
おや?これは新顔.ツヤツヤしたトゲアリだ.多分Polyrhachis demangei.トゲアリのくせに,胸にはトゲがなく,腹部も丸いので柔らかい印象だ.一匹採れてなんだか嬉しくなっていたら,あちこちを歩いている.ツヤツヤがいっぱいでツヤッツヤ.

先生と先輩は,花を掬ってらっしゃる(物珍しいのだろう,観光客がまばらに寄ってきていた).しかし,私は長竿を持ってこなかったので,低いところをスカスカ掬うしかないのであった.ケチらず持ってきておけば……
Midorikamikiri Vietnam
しかし,それでもなんだかんだ虫は入るもの.ミドリカミキリ的なミドリカミキリだ.恥ずかしながら,ミドリカミキリは日本でも採ったことがなかった.初採集である.
Tenthredo sp.
ハバチも入った.先輩が採られたでかくてカッコいいのとはまた違った趣がある.日本のハチガタハバチに似ている.そして擬態するアシナガバチも異なるのか,なんとなくベトナムナイズドされている気がした.


私がこんな奴らで喜んでいる隣で,先生と先輩は大量のツチスガリをゲットしていた.私はその後は小さいハナバチしか採れず,そこそこでスウィープに切り替える.

やっぱりスウィープはいい.ヒメバチも,コマユバチも,温かく迎え入れてくれる.段々テンションが上がってきたところで,丈の低い木をスウィープすると,黒いアリが入った.おお!これは.
Cataulacus granulatus
先日網に入れながら闇に消えていって採り損ねた,カブトアリではないか!これは恐らくCataulacus granulatusだ.珍しい種ではないが,私にとっては図鑑の中の虫だったのでかなり嬉しかった.この形,素晴らしいじゃないですか.
このテンションそのままに,けっこう良さげなヒメバチとかヒメバチとか採っていく.毒瓶の中は,虫でいっぱいだ.幸せ...…と,しばし毒瓶を眺めていると,なんか太っちょなハチを発見.はて,こんなの採ってたんだ.ん……?
Hayatosema initiator
おお?んんん?これはもしや,ア リ ヤ ド リ コ バ チ ではなかろうか?
コイツは, "好蟻性のハチ好きです,やってます"とかぬかしておいて,一度も採集したことのなかったアリヤドリコバチEucharitidaeではなかろうか…?ついに,私は捕まえたのだ…!やった…!静かに喜び,静かに興奮した.
Hayatosema initiator2
帰国後観察し,自信はないが,Hayatosema属であろうと心の中で同定した.この属は日本にもいるが(西表島),記録が示された和文の文献もWebサイトも見たことはない.この属は,オオズアリに寄生するらしい.オオズアリ属Pheidoleは熱帯で多様性が高いグループなので,そりゃそいつに寄生するヤツも現れるだろうな.
とにかく,初めてアリヤドリコバチを捕まえた興奮でお腹いっぱい.もういい時間なので適当にドロバチを捕まえて,昼ご飯を待った.

お昼を済ませた後,適当にドロバチを捕まえて,採集再開.お腹いっぱいであんまり採集してなかった.
Leptogenys foreging
ハシリハリアリっぽいアリが,みんなでミミズを抱えて運んでいる.結構速く,あっという間にコンクリと地面の隙間に入っていった.

やっぱり花への未練が断ち切れず,私の短い網でも届く花に狙いを定め,ちっちゃいハチたちを採っていく.
そこにブーンという羽音とともに大きな黒い物体が.もたつきながらもなんとか網に入れる.
AoiKumabati
青い.蒼い.碧い.綺麗なクマバチだ….こんなクマバチの存在は,よくある綺麗な虫の展示で見て知っていたが,生きて動いているところは,宝石が動いているようだ.しばし動くクマバチを眺める.

しばらくすると先生たちが花掬いから帰ってきて,採集終了.トラップを全回収し,この日は新たな宿へ向かう.
YPT
使った後は綺麗に.数百枚の黄色い皿を,丁寧に洗っていく.少しの汚れも気になるのでかなり丁寧に洗っていたが,作業が遅すぎて日が暮れてしまった.しかもずっと水に手を突っ込んでいたので,かなり冷えた.

この日は楽しかった.ベトナムの宿で過ごす最後の夜.のんびりソーティングして過ごした.明日は最終日,とにかく楽しもう,そう思って眠りに付いた.この日は久々に一つのベッドを広々使えた.
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順番が前後してしまったが,5月末に研究室の先輩に連れていってもらった鹿児島の方で採った虫など.

昼頃に出発して,夜中に到着.極々僅かな区間運転したが,運転したの去年の西表以来だし,高速は車校の高速教習以来だった.死ななくて良かった.

夜はやることがないので釣り.もういない祖父と一緒に行ったのが思い出されるが,最後に海釣りしたのは10年以上前だ.もう何もかも忘れていた.
それでも小魚は食いついてくれて,心優しいおさかなさん達に感動した.

朝起きて,木本の花を掬いつつ(画像なし),港に着いて釣り.まだ下草乾いてないからね.
patikan
ものすごく小さいけど,カンパチが釣れた.楽しかった.実家に帰って一式持って親父と出かけたくなった.

そろそろいい時間になったので,港に生えたなんか草とかをスウィープ.そこそこ虫が入った.
Lasioglossum apristum
お腹が淡いオレンジで綺麗なハチ.多分ニジイロコハナバチ(Lasioglossum apristum).珍しくもない種だが,初採集だった.
Crossocerus sp.
ヒメギングチの一種(Crossocerus sp.).何だろう.気が向いたら同定する.

移動し,いくつかポイントをまわる.ヒメバチは結構見たが,有剣類はあんまり採れなかった.まだまだ修行せねば.
その後,先輩が見つけていたよさげな土場へ.
最初は全然虫が飛んでないからさっさと退散…と思っていたが,よく見るとハチも甲虫もそこそこいる.ということで,しばらく粘って採集することに.ホシセダカヤセバチ(Pristaulacus intermedius)が結構いた.採ったときはもっと珍しいものを期待していたが,結局こいつに落ち着いた.セダカヤセバチはいつもこうだ.
Midori2
Midori
大隅のミドリカミキリ.ミドリカミキリの仲間自体,ベトナムで採ったのが初めてだったし,結構喜んだ.綺麗.
komedama
komedama2
なんか筒状でつまむとパチパチヘドバンする虫.触角がフサフサで,一体なんだか見当もつかなかったが,後日別の先輩にうかがうとコメツキダマシで,オニコメツキダマシ?とかその辺らしい.コメダマはコメツキっぽいのしか知らなかった.甲虫はいろんなのがいるなあ.
Camponotus japonicus mating flight
結婚飛行のチャンスをうかがっていたクロオオアリ(Camponotus japonicus).せっかく有翅女王も巣穴から顔を覗かせていたのに,カメラを向けるとみんな引きこもってしまった.オスとワーカーしか写ってない.

ナガタマとかトラカミキリとか一通りつまんだ後,移動.ここでは唯一篩いを行った.
Eustra japonica
エグリゴミムシ(Eustra japonica).鹿児島はミナミフトハリアリいるし,オオエグリもいないもんだろか.
Bacanius mikado
小さいエンマムシ.コアカツブ?この時期たまに採れる.
Proceratium itoi
イトウカギバラアリ(Proceratium itoi).何かの間違いでモリシタにならんかな.
ぜひ見てみたかった,走るハリアリは見つからず…前日の夢で登場したのみだった.今度は採るぞ…

先輩は狙いのハチが採れたようで,目的は達成.温泉に入り,仮眠した後,また運転していただいた.もっと運転できるようにならないとな…ご迷惑をおかけしっぱなしの一泊二日だった.
大学に到着した時点で3時くらい.当然電車は出ておらず,先輩のお宅に泊めていただいた.朝,ゆっくり睡眠をとって回復してから帰宅.本当にありがとうございました.
今回は不完全燃焼だったが,南九州での本格的な採集が初めてだったので,新鮮で楽しかった.もっと頑張ればちゃんと結果が出そう.また行きたい.
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