邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に,たまにしょうもない趣味を綴っていく日記. 恥ずかしく読みにくい文章で申し訳ございません.コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する諸々のご意見は,ブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は174種(雌104種,雄67種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2018年01月

前回の更新から9か月が経った.いい加減書かないと忘れてしまう.
hune
朝.次の日から仕事がある両親を見送る.なかなか一緒にいることがないし,もっとあちこち観光地に行けばよかったかな.
kanmuri
電柱にとまる天然記念物.
前日,夕方しか篩い採集できなかったので同じ場所に向かう.あそこは環境よさそうだ.
着いたら網などに目もくれずシフターを取り出す…と,目の前をヒメバチが通過.こんなんばっかだ.
yaitokana
kanimusi
篩い始めると,早速出た.ヤイトムシとカニムシ.とりあえず採るが,いつか種名が分かる日が来るのだろうか.
benten
旧アゴウロコ.多分イガ(Strumigenys benten)ですな.ケブカを期待しつつ毎度毎度イガウロコ.八重山だと普通.
nakahanekakusi
見たことある形のハネカクシ.綺麗だな,と思って写真を撮り終えると飛んでいってしまった.
arisimi
アリシミの類.ツヤオオハリアリ(Brachyponera luteipes)の巣から.ホストの記録あったっけ.節操なく入ってそう.
yotubato
お?新顔.この色と形は…
yotuba
おお~これは!ヨツバアリ(Acropyga yaeyamensis)だ!
アリ界のよつばちゃん.黄色いけど.
ヨツバアリは漢字で書くと四葉蟻ではなくて,四"歯"蟻.大腮に4つ歯があるからよつば.日本には三葉,四葉,五葉がいる.四歯は2種いるが,ヨツバアリとはだいぶ姿が違うので見れば一目瞭然.

ヨツバアリで勢い付いたか,次々にアリを落としていく.
uroko-nohime
ヒメウロコアリ(S. minutula).昔のStrumigenysでは大腮が短い種.よく採れるキバナガウロコ(S. stenorhina)の大腮が長いだけに超短く見える.
kakubara
カクバラアリ(Recurvidris recurvispinosa).学名カッコいい.日本では一種だけ.世界的にも種数は少ない.
aridukamusi
アリ以外には小さいアリヅカムシが大量に出た.この大きなアリヅカムシは一頭だけ.
enmamuti
エンマムシも出た.他にも甲虫はコケムシとかミジンムシダマシとかよく見たような気がする.段々土壌性甲虫にも興味がわいてきた.
tuyao-siro
そういえばこんなのも.同じ材から出したツヤオオハリアリとシロアリが鉢合わせになって狩られているところ.
小さいながらも迫力満点.

気が付けばもう夕方になり,お腹も空いてきた.腹が減っては戦ができぬ.とりあえずご飯にして夜また出かけよう…と思っていたら!ちょっと休憩しようと思って横になっていたら!いつの間にか朝になっていた…….そんなに疲れていないつもりだったが,初採集種を採って得た嬉しさエネルギーでなんとかしていたのだろう.まあいい休息になった.朝風呂していざ出陣.つづく.
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自分用も兼ねたメモ.

ハダカアリCardiocondyla kagutsuchiとされていた種は,寺山ら(2014)にカドハダカアリ,トゲハダカアリ,ヒヤケハダカアリの3種に分かれていることが書かれていた.これはOkita et al. (2013)の研究結果を元にしていると思われるが,2014年の図鑑発売後に出版されたSeifert et al. (2017)において記載されたC. itsukiiと新たに日本から記録されたC. strigifrons,そして残ったC. kagutsuchiが図鑑のどの種に該当するのか,それとも上のものとはまた別の種なのかいまいち自信が持てなかった.

今回上の論文に加えてOkita et al. (2015)を読んで,本論文におけるlineage A, B=C. strigifrons=カドハダカ, lineage C=C. kagutsuchi=ヒヤケハダカ, lineage D=C. itsukii=トゲハダカでよさそうということが分かった(真面目に3つの論文読んでればフツーに気付けたことだった).
IMG_7574 (2)s
ついでに,本土に棲息してお互い分布が被っているカドハダカとトゲハダカの違いについても図鑑の検索表に書かれている形質以外に使えそうなものがOkita et al. (2015)に載っていたので追記(記載論文の方に載っていた形質のうち,両種で違いの出ているものは今回は扱ってません).これで同定できるのかは試していないので不明.

new 頭長/頭幅(平均±標準誤差)=カド(1.274±0.010)>トゲ(1.175±0.002)※日本産限定
new 前・中胸背板にある円形の彫刻の深さ=トゲカド ←やや怪しい
new 前・中胸背板にある円形の彫刻の数=トゲカド やや怪しい
   後胸溝=トゲ(わずかながら認められる)>カド(ほぼ認められない)
   前伸腹節刺=トゲ(大きく突出する)>カド(わずかに突出or角をつくって突出しない)
   腹柄節丘部前面の傾斜=トゲ(急)>カド(ゆるやか)

頭長と頭幅については一番長くなるものを測る……ので良いはず.論文によってまちまちなのでこれでいいんだ~と他の論文で見たものを当てはめると痛い目に遭う.
Cardiocondyla measurement of Head
たぶんこれでいいでしょう.間違っていたらコメントください.

さあ皆さん,レッツ同定♪

※追記
Seifert et al.(2017)では特定の形質というよりは形質の長さや比の数値を計算式に当てはめるなんだかすごい検索表が載っており,やや怪しい※を付けた形質は筆者らが他の個体も検した結果,個体差があるために使われていない可能性があります.複数個体を見て,検索表で一応カドとトゲを同定できたので,載せておきます.あまり信じないでください.
あと,検索表に載っていたら申し訳ないのですが無いようだったので前胸背板前側縁の形状が異なっていたようなので下に写真を載せておきます.
Cadriocondyla strigifrons
カドハダカアリ(C. strigifrons)?
Cardiocondyla strigifrons-Mesosoma-D
前胸前側縁はゆるやか.
Cardiocondyla itsukii
トゲハダカアリ(C. itsukii)?
Cardiocondyla itsukii-Mesosoma-D
前胸前側縁は角ばる.

引用文献
Okita, I, Murase, K., Sato, T., Kato, K., Hosoda, A., Terayama, M. & Masuko, K. (2013) The spatial distribution of mtDNA and phylogeographic analysis of the ant Cardiocondyla kagutsuchi (Hymenoptera: Formicidae) in Japan. Sociobiology, 60, 129–134.
Okita, I., Terayama, M. & Tsuchida, K. (2015) Cryptic lineages in the Cardiocondyla sl. kagutsuchi Terayama (Hymenoptera: Formicidae) discovered by phylogenetic and morphological approaches. Sociobiology, 62 (3), 401–411.
Seifert, B., Okita, I., Heinze, J. (2017) A taxonomic revision of the Cardiocondyla nuda group (Hymenoptera: Formicidae). Zootaxa, 4290: 324–356.
寺山 守・久保田敏・江口克之(2014)日本産アリ類図鑑.278pp., 朝倉書店,東京.

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arge
祖母の家に行って見た虫が今年の初虫.ルリチュウレンジかねえ….こんな寒い中裸で外歩いてて感心する.
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おめでとうございます.
今年の目標は「進」.滞っていた作業ややるべきことを進める一年にしたいです.
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