邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ)を中心に、たまにしょうもない趣味を綴っていく日記。 笑いなしオチなしでの~んびりやっとります。コメントやリンクも大歓迎です(リンクの際はご一報ください)。画像の無断転載はお控えください。

現在、採集した日本産アリ類(2014~)は160種(雌85種,雄45種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2017年10月

今月中旬、先輩と珍しい甲虫を採りに行こうと約束をしていたのだが、雨が降って流れてしまったのでリベンジのために林へ繰り出した。

時間は午後8時。たまたま予定のなかった後輩も連れて3人、自転車をこいで採集地へ。ここは大学からアクセスできる地域ではかなり環境がいい方だがけっこう限界なラインで、最初は楽しく話しながら向かっていたものの、着いたときには3人ともゼーハーゼーハー。肩で息をしていた。

夜に篩いをするのはこれまでもアドバイスをいただいていたことではあったが、暗いし、マムシ怖いし、環境よさげなとこで楽にアクセスできる場所があまりなかったしでこれまで全くやってこなかった。

さて、不安8割で採集開始……先日の台風による大雨のせいか、落ち葉が流されてしまっている……。以前までたっぷりあったリターが、全然ない。酷い。これは回復するまでしばらくかかりそうだ。
そんな中捕まってくれた心優しい虫たち。
tibimizugiwa
お馴染み2ミリもない小さなゴミムシ。チビミズギワゴミムシ(Polyderis microscopicus)だったっけ?毎回採ってるし、いつぞやのツルグレンでものすごい量入ってしまったので今回はスルー。
otibahime
タマキノコ。いつも見るオチバヒメタマキノコ(Colenisia terrena)でいいのかな。
hanekakusi
ハネカクシ。ちょっとぽっちゃり。可愛い。この種はこの場所でしか見たことないなあ。
euconnus
コケムシ。よく見るルイスヒメコケムシ(Euconnus lewisii)だろう。コケムシってアリヅカに比べてものすごく写真撮りにくい気がするが気のせいだろうか。

他に先輩が好きなアリヅカムシが採れたが、これまではもっと採集していたので物足りなかった。リターちゃん…どこいったの涙
strumigenysQsp
アリは、6種。おっ、と思えたのはこのStrumigenys女王と先輩が採ったコヌカ(Tapinoma saohime)くらい。コヌカはこの場所では初めて見た。というか、県内だと他に1箇所しか知らない。

すごく寒かったが、なんだかんだ楽しめた。複数人で採集に行くのもいいものだ。
採集種数的には…あと2ヶ月早ければもっと違っていたかもしれない。

IMG_0894s
ヤマトアシナガアリ(Aphaenogaster japonica)の女王を撮ろうとして撮った写真。ピントが合っておらずダメな写真だ。
しかし、家に帰ってこの写真を消そうとしたとき、あるものが目に入った。
IMG_0894d
お、キイロシリアゲアリ(Crematogaster osakensis)のオスがワーカーからなにかされている。これも採っておけばよかった。
と思った後、左上に虫の姿を見つけた。
ハエヤドリクロバチ(Diapriidae)の一種だ。たしかに灯りにもよくやってくるハチである。しかし全く気付かなかった。見直しても一回は気付かなかったとはなんというステルス能力。
そういえば、昨年もトビイロシワアリを撮ろうとしてハエヤドリクロバチが写り込んでたっけ。スウィ―ピングでもマレーゼでもFITでもYPTでもよく採れるが、こうして写り込んでいるのを見るとどこでもいるんだなあと思う。そして気付かれないのがなんだか不憫だ。そしてそして同定ができない。
あ、そもそもこれはDiapriidaeで合ってるのかな。
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今日で祖父が逝って一年になる。

私にとって祖父の死は、親戚の初めての死だった。父方も母方も、そんなに若かったわけではないけれど成人するまでは誰一人欠けることなく過ごしてきた。

祖父は実家から電車とバスを乗り継いで一時間弱の住宅地に祖母とともに住んでいた。
いつも決まってリビングのテレビの目の前に横になり、昼間からどうでもいいショッピング番組を流しながら宝くじの紙に6桁の数字を書き込んでいた。テレビ消せばいいのに、と思っていたが消すと怒り、付けてもたまにぼーっと眺めるくらい。思えば私も内容は頭に入れずに只テレビを付けているだけ、ということをよくやっていた。なんとなく安心できるのは同じ血が流れているせいだったのだろうか。

散歩が趣味の祖父は、テレビの前に居ないときは外に居た。ふらっと出かけては都会までとにかく自分の足で歩き、パチンコをして宝くじを補充して帰ってくる。「前せっかく1等が当たっとったとのに出し忘れとってもったいのうことをした」といつも聞かされていたが、多分嘘だ。我が家はくじ運が悪いので、そんなの当たるはずがない。また強がりでもあるので、見栄を張っていたのだろう。一度だけ5000円?くらいが当たったときは「こんくらい普通よ」ともらったことがある。何もくれなかった祖父から唯一もらったであろう品が現金5000円とは。

お金はないのによく使っていた。訳あって養子になった祖父はその家のお金を祖父の兄共々よく使ったという。私の知らぬ大叔父の方が酷く、比べると祖父は可愛いものであったらしい。そんな人を見て育ったせいか、お金遣いの荒さは世代を経るごとに鳴りを潜め、私はケチンボである。それでもたまにお金をどっと使いたくなるときがある。きっとあいつらのDNAが流れているせいだ、と責任を押し付けている。しかし、悲惨な戦争を経験し、戦後の貧しい暮らしも経験した祖父からすると、その日得た金はその日使う、というのはあながち間違いではなかったのかもしれない。
以前唐突に、「お前が生きちょるとは奇跡」と言われた。八幡に住んでいた祖父は、8月9日も当然そこにいた。お相手が標的を変えなかったら絶対に死んでいた、と語っていた。そのとき生かされた分、毎日悔いのないよう生きていたのかもしれない(にしてももう少し節約して欲しかった)。

お金を使うのが生きがいなら、そう簡単に死んだりはしないだろう、と父とともに笑っていた。祖父、祖母、父、私の四人で食卓を囲んだ回数は数えきれない。私は一人っ子だが、父も一人っ子だ。祖父にとってはたった一人の息子と、たった一人の孫だった。そんな息子に対して祖父はえらく口が悪く、また息子の方も口が悪かったが、お互い照れ隠しであることは幼い私にもよく分かった。そんなおだやかな休日の夜が大好きだった。

昨年10月半ば、親戚の結婚式に呼ばれ京都を訪れた私は、父と二人になるときに驚くべき話を聞かされた。
祖父が脳梗塞で倒れたという。私はビックリしたが、そう大事とは思っていなかった。テレビでも、脳梗塞を患ったあと復帰している芸能人はよく見かけたし、体力もある祖父ならすぐに面白くない洒落を飛ばして退院するものだと。その場で数分話題になった程度で、特に祖父に連絡したりもしなかった。

それから一週間後、私は調査のために札幌へ赴いた。一週間ほど滞在し、アリヤドリバチの幼虫を持って帰るためだ。
四国から北海道への大移動を終え、夕食を食べて泊めてもらうお家へ行き無事一日目が終わる…はずだった。
何気なく見たフェイスブックの投稿に唖然として言葉を失った。
父の投稿だった。そこにはやせ細った腕を見慣れた父の時計の付いた手が握りしめている写真が載せられ、「お疲れ様、お父さん」(投稿を見返す元気がないので曖昧、おやすみなさいだったかも)と書かれていた。
明言は避けられていたが、祖父が亡くなったことは明らかだった。
急いで父へ電話し、真偽を問う。父はいろんな活動をしていたし、仲のいいおじさんとかかもしれない、と失礼な期待をしていた。

父から発せられた言葉は覚えていない。泊めてもらうアパートの廊下で、大声を堪えながら泣いていた記憶しかない。
私が調査に行ったのと同じ日、父は東京へライブに行っていたはずだが、それをキャンセルし既に通夜を済ませていた。
葬式もすぐに行うそうだ。私には、帰ってこなくていいと告げて電話は早めに切られた。なんとなく鼻声だった気がする。

残念だったことはたくさんある。祖父の容態の深刻さに気付かず一週間を何もせず過ごしてしまったこと、祖父の最期にそばに居られなかったこと、祖父の通夜・葬式に出られなかった(調査を優先して出なかった)こと、きつかった祖父に何の言葉もかけてあげられなかったこと……。
その後の調査や研究のことを思えばすぐに向かうべきだった。あんなものいつでも調べられるし、あのときは結果も出なかった。後悔しかない。祖父はどう思っただろうか。調査を放り出した私を咎めただろうか。そんなものより俺のとこに来い、と言っただろうか。どちらも考えられる。分からない。

調査を終えた私を待っていた酷い状況は、祖父を亡くして精神的に参っていた私を更に痛めつけた。誰も助けてくれず、懇願しても何もされず、たまらなくなって実家へ帰った。愚痴を言おうと訪れた祖父の家に、祖父はいなかった。
いつもリビングにいた。いないときは外で無駄金を使っていた。でも祖父の姿は仏壇にあり、そこから動くことはなかった。最後に祖父と会ったのはいつだったか、覚えていない。長期休暇には会っていたはずなので、夏休みが最後だったか。でも夏休みに訪れたときは採集に出かけていてあまりしゃべっていなかったような。

80を越えた頃から(というかそのずっと前から)同じことばっかり言うようになった祖父の思い出は、いつも同じものばかりでどれがどれだったか整理できない。「俺は村で一番頭が良かった」「本当なら先生になっちょったけどわざと落ちた」「彼女はできたか?」「嫁さんはどんな人もろうかの…」この辺は暗唱できるほど聞いた。結局、嫁どころか彼女ができたと報告することもできなかった。いつも同じ返答ばかりだったので、違うことを言ったら何と答えるのか気になっていたが、それも叶わない。

上記の自慢話もたぶん嘘っぱちで、結局のところ祖父が何の仕事をしていたのか知らない。昭和の初めの頃生まれたにしては背が高く紳士がかぶるようなハットがよく似合った祖父。大の甘党で、わりと甘いのが好きな私や父がドン引きするぐらい砂糖をぶち込んでいた祖父。芸術的センスに溢れ、絵が上手かった祖父。女たらしですぐ店員さんにちょっかいを出していた祖父。書き出せばいろいろ出てくるが、底知れぬミステリアスさがあった。もっといっぱい話を聞きたかったが、少し謎があったくらいがカッコいいのかもしれない。
連続で一人っ子が続いたため祖父の血が流れているのは私と父だけ、後につなげられるのは私だけだ。約束はできないが、祖父にこんな嫁さんもらったよ、と報告するためにもなんとかしたいものである。そのとき祖父はなんと答えるだろうか。
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今週、お隣の香川県のアリの研究室にお邪魔してきた。
四国でアリの研究をされている研究室はこちらしかなく、私もアリ好きということで採集会や四国支部会ではいつも仲良くしていただき、アリとは疎い研究室にいるとなかなか知ることのできない情報を教えていただいた。
そしてお会いするたびに、"いつか行ってみたいです"と言っておきながら気づけば4年生になってしまっていた。

4年になり、教育実習を終えて、昆虫展を終えて、学会を終えて、やっと、やっと時間ができた。
ついに念願叶い、香川へ。松山からバスで2時間45分、同じ四国といえど、松山は西の端にあるのでどの県の県庁所在地に行くにも遠い。高松駅に着くと、その都会さに驚く。
松山は人口50万人、たしかに四国最大人口を誇るが、面積も広く、人口密度的には変わらない。しかも、高松駅の近くは栄えている!
高いビルが建っているではないか!すごいぞ!しかもなんか綺麗だ。緑があって、空間があって表現しにくいけど綺麗だ。
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待ち合わせの時間まで採集することにしていたので、電車で揺られて30分強、少し田舎へ。昼ご飯をカフェでのんびり食べているともう2時間しかないではないか。なんと阿呆な…。
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無人駅にもICカードでピッとできる機械がある。地元の福岡より進んでる。
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よそ者なので、券売機にとてもお世話になった。

途中の神社を経由し、急いで山へ登る。この場所はアクセスがしやすいということを大学の方にうかがっていたのだ。
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採集を始めると、何も考えていなくても乾燥していることに気付かされる。
リターを篩えば、パサパサの土が落ちてくる。こんな環境で100種類も採るなんて……香川の皆さんの努力と才能を感じた。自分は愛媛の恵まれた環境(石鎚のような高標高地から愛南町のような南方まで)でぬるま湯に浸かっていたのだ…と痛感した。
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ルリルリ(Ochetellus glaber)。山の中にもいて、多かった。
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甲虫は少なかった。
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結局、まともなのはセダカウロコ(Strumigenys hexamera)くらい。
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アオスジハナバチ(Nomia punctulata)が採れたのは少し嬉しかった。愛媛ではあまり見かけないが、こちらではたくさん飛んでいた。

余談だが、篩いを始める直前に捕まえたオオモンクロベッコウ(Anoplius samariensis)を毒ビンに入れるために使ったピンセットがどこに行ったか分からなくなり、バットの虫を吸虫管で吸う羽目になって土をいっぱい吸いこんでしまった。
オオモンクロとピンセットでは割に合わないよ…。

採集を終え、大学へ向かう。ついに、お部屋にお邪魔する。広がっていたのは……


まさに天国!ここに書き出すとものすごい文量になってしまうので省くが、すごかった。すごかった。
更に、先生の標本も見せて頂き、文献の別刷りまでいただいた。夜は飲み会を開いていただき、あたたかく迎え入れてくださった先生と学生さんたちと、楽しく時を過ごすことができた。珍しくビールを飲んでも平気だった。

結局一日目は学生さんたちとアリのお話をさせていただいているうちに夜が明け、7時ごろ学生さんのお宅に着いて仮眠をとった。

2日目は採集に燃えたのだが、スズメバチやらカやら大変だった。その後お体はいかがでしょうか。


あっという間に帰る時間となり、もっと居たかったと惜しみつつ皆さんとお別れした。
帰りのバスまで時間があったので、少し駅前を散策。
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高松にもあった。松山・高知・徳島フルコンプだ。いつも思うけど表示するには遠すぎるでしょ。
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高松駅前。もう夕方で採集できなかったのは残念だったが、高松の雰囲気を少しだけ味わえた。
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あなご飯を食べて帰宅。帰りは少し寝てしまって松山まで一瞬だった。

とても楽しく、もしよければまた訪れたい。いい2日間を過ごせて、心も体もリフレッシュできた。
まるで身内のようにあたたかく迎え入れてくださった研究室の皆様、本当にありがとうございました。
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最近はツルグレンで落ちる微小甲虫にも興味が向いてきて、たまに調べている。
これらは小さい故に万人の興味をひかないらしく、採集されないか、採集されても特にコメントがないようで、ブログで載せている方をあまり見かけない。
天下の甲虫にも関わらず調べてもなかなかネット上に画像がなく、記録も少ないみたい(でも本州とか四国とか九州とか、その単位では採れているものが多いことにびっくりする)。記載を当たってもよく分からないのは私の努力不足だが、少しでも材料が転がってる方がいいかな、と思い載せていこうかなと思う。
門外漢ということもあり間違いを犯している可能性が十二分に考えられるので、間違っている場合はご指摘をいただけると非常にありがたいです。
arizuka1
リターの定番アリヅカムシ。でもこれは初めて見たヤツ。前脚に生えた2本のトゲがカッコいい。何に使うんだろ。
philoscotus sp
オチバアリヅカムシの一種(Philoscotus sp.)。愛媛からは5種が記録されている。眼はどこだろう。大腮が鋭くかっこいい。
kokemushi
これもよく見るコケムシ。大きさが違うけど見た目はそっくり(ここから見ただけだと)。コケムシはヒメコケムシ属(Euconnus)とムナビロコケムシの仲間のCephenniini族しか採ったことないと思う。というか大体ルイスヒメコケムシ(Euconnus lewisii)ということを最近知った(先生ありがとうございます)。
Lathridiidae sp,jpg
たぶんヒメマキムシ。この仲間は木のイメージが強いけど、先日シフティングでも採れた。
mukugekisui
ムクゲキスイの一種?今年になって初めて出会った虫。ハスモンムクゲキスイ(Biphyllus rufopictus)という普通種をスイープで採ったが、これはそれとは違う種類っぽい。クリイロ(B. throscoides)かな?

採れると気になるのは当然のこと。あまり時間をかけてはいられないけど、趣味にしておくにはちょうど良さそうだ。
興味を持ったからには種類まで落とせるようになりたいが、その前に科までは分かるようにしておきたいな…(どの分類群もだけど)
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