邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ)を中心に、たまにしょうもない趣味を綴っていく日記。 笑いなしオチなしでの~んびりやっとります。コメントやリンクも大歓迎です(リンクの際はご一報ください)。画像の無断転載はお控えください。

現在、採集した日本産アリ類(2014~)は160種(雌85種,雄45種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2017年05月

GWが終わった次の日、以前から採集に行こうよ~と言っていた友人と少し遠出して高い山へ行くことに。
友人の軽トラに乗っけてもらい、いざ出発。彼は地元愛媛の出身で、目的の山にも遠足やイベントで何度も登ったとのこと。うちの大学では地元の人間が少なく、四国に広げても多くはない。よって地元の情報は実はあんまり聞かないのだ。この3年間、採集であちこち行く関係で(よそ者にしては)いろんな場所を知ったが、なかなか深くまでは知るのは難しい。そういう意味で地元の人の話というのは貴重であり、とても興味をそそられる。駐車場に着くまでの間、県内の事情、地元の人の考え、自身の思い出など、たくさん話を訊いた。

さて、到着。早速降りて戦闘開始。友人はあまり採集に慣れていないので、少しレクチャー(になってればいいが)しつつ登り始める。
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早速アリの姿。ここは1000m弱ある山なので、もちろんいる虫も山の虫になる。ムネアカオオアリ(Camponotus obscuripes)がアブラムシに群がっている。県内では山に行かないと出会えないが、山に行けば大抵出会える。大型な上に赤い部分が多い体をしておりとても綺麗なアリだ。県内ではよく似た種にニシムネ(C. hemichlaena)がいるが、前胸の色で見分けられる。とは言え、この写真でも下の個体のように前胸がやや黒ずんだ個体もおり、はっきりと区別するのは結構難しい。最近はほとんど山に行っていなかったので、ムネアカを見られただけでも少しテンションが上がってしまった。もっと採集行かなきゃなあ。
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今度はムネアカと比べると小さなオオアリ。このサイズだとウメマツオオアリ(C. vitiosus)が最も普通だが、これは違う。ヤマヨツボシオオアリ(C. yamaokai)だ。写真では、というか採集したときは全然四つ星が見えなかったが、標本にしたらはっきりと確認できた。実は、本種は県内では今回が初採集だった。他の県では採集していたし、この山で他の人が採っているのも確認していたので、やっと採れた、という感じだった。
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葉っぱには、ムネボソの一種が居た。すぐ隣の葉をヒメムネボソ(Temnothorax arimensis)の女王が歩いていたが、うーん、なんか違うような。以前もこんな色の微妙なムネボソを採集しているが、まだ分からないでいる。この属難しいや。
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葉っぱの上といえば、こんなのもいた。名前を先輩から聞いたが、例によって忘れた。
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タマムシはこれとシロオビナカボソ(Coraebus quadriundulatus)の2種類採れた。

この山ではこれまでほとんどスイープをしたことがなかったので、採れる虫はけっこう新顔が多かった。
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ハチはヒメバチを中心に、ハバチもよく採れた。写真は撮りそこねたが、個人的に尾っぽの長い素敵なEphialtiniもいくつか採れて満足。でも先日の採集よりは少なかったなあ。

しばらく歩いていい感じにお腹が空いたので、一休みして昼ごはんに。座っておにぎりにかぶりついていると、目の前をハネカクシが歩いてたり、マルハナバチやオオセンチがブーンと飛んでいったり、じっとしているのに、虫たちの息吹を感じる。素晴らしい。そんなことを思っていると、友人の水筒に虫が飛んできてぶつかって落ちた。
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!!
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!!!
ベニヒラタ!ベニヒラタ(Cucujus coccinatus)だ!この山では数が多いらしく、同行した人はみんな採っていたが、土の前にじっとしている私には縁のない虫だった。その姿と色で目を引く、図鑑ではよく見た虫。ようやく私の前にも現れたか…と感激した。よく見ると友人の水筒の色は黒と赤で、ベニヒラタと同じ色。「これ置いといたら飛んでくるんじゃ?笑」とかアホみたいなことを言いつつ、大事に毒ビンにしまった。後日、きちんとダニを取って展足した。この虫を採ったことを喜んで報告しても皆"えぇ…こんな虫…ルリヒラタならまだしも…"と共感してはもらえなかったが、私は嬉しかったのだ。それでいいのだ。

のんびりと2人で登りながらしゃべりながらの採集。普段は一人で採集する方がマイペースでいいと思うタイプだが、こんな採集ならいいな、と思えた。
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話しているうちに頂上へ。そんなに天気は良くはなく遠くはぼんやりとしか見えなかったが、結構高くまできたもんだ。見える街は今では合併して大きな市の一部になった友人の故郷。ここでも少し思い出話を聞いた。そういえば、私にも故郷を見渡して思い出話のできる山があるだろうか。あるっちゃあるが、あんまり登ったことがないので感慨にふけることはできないような気もする。そういう意味では、ないのかもしれない。

いい時間なので、降りつつ、前回の採集の勢いそのままに土を集めていく。結果は微妙だったが、一応まあまあな虫を。
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カクホソカタのなにか。同じようなのを採った記憶があるが、果たしてこの山だっただろうか。この仲間はいい形をしている。
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ミゾガシラアリ(Lordomyrma azumai)。わりと珍しいけど、この山ではコンスタントに採れている。いいアリであることには違いない。

一通り用事を済ませたが時間が余っていたので、シフティング。
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倒木内のフレークを篩うと、見慣れない甲虫が。なんだこれ!?と驚くも、よく見ると馴染みのある形をしていた。ヒシカミキリ(Microlera ptinoides)だった。しかし、シフティングでカミキリムシが落ちたのは初めての経験。そもそもシフターの網の目を通るサイズのカミキリ自体相当少ないはずだ。

最後にカドフシ(Mymecina nipponica)とアリヅカムシを捕まえ、撤収。うん、最後の採集としては上々だった。実は、これから数か月個人的に非常に忙しくなるのでしばらく採集は控えようと思い、この採集を落ち着くまでの最後のものと決めていた。次に思いっきり網を振れる頃には日もだいぶ短くなっているだろうなあ…


P.S. 帰りに友人宅に寄り、なんとタケノコご飯をいただいてしまった。大好物である。3食分もいただき、本当にありがとうございました。美味しくいただきました。ホント、足を向けて寝られないな。ありがとう。

GWも後半。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は一瞬帰省していたのですが、その内一回は採集に行こうと思っていたのに雨が降りやがったので非常にストレスが溜まりました…どんたくの日はやっぱり雨が降るんだな
夜行の船で松山に戻ってくるとこちらは腹が立つくらい天気が良く、九州が瀬戸内気候でなかったことを非常に後悔。
港に5時着で運がいいことにまだ一日が始まったばかりだったので、善は急げと帰松したその日に採集に行くことを決意(船内で一睡もできずフラフラだったのがこの決意でピシッとなった)。
元々四月中に行きたいと思って忙しくて行けなかったとこにバスを数線駆使して到着。
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いい天気を伝えられる写真がこれしかありませんでした。写っている山と真逆の方に登った。
登り始めると、薄暗い林道の脇に草が程よく生え、ヒメバチを採るには絶好の環境に見えた。よし、頑張ってスイープ開始~!
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採集を始めると、これが入る入る、数回振ったあと網を覗くとたくさんのヒメバチが昇ってくる。ここは天国か…ここのとこ採集地は自転車ですぐ行ける草っぱらばかりだったので、こんなにハチが入ってくるのは久しぶり低地の草原でも採れる奴もいっぱいいたけどね。写真のように、フタオヒメバチ(Mesochorinae)がとてもよく入った。特にワタナベフタオヒメバチ(Astiphromma watanabei)がもーいっぱいでした(写真にも3頭写っている)。本種を去年初めて採ったのは4月の初めで、そのときはオスしか採れなかったのに、今度はメスばかりであった。
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ヒメバチがいっぱい採れることに興奮したのと同時に、これは長丁場になるぞと一本目の清涼飲料水を一気飲みし糖分を補充完了。少し落ち着かせる。そのときに撮った写真。なんでこれを撮ったのか不明だが、ヒメクロ(Apoderus erythrogaster)可愛いからいいや。

陽当たりのいい広場に出て、暑さを嫌って日陰に入ると、目線の隅に黄色い姿。これはハチ!と思い正面に捉えるとよく見るホソアシナガバチの色と大きさ。少しガッカリしつつ、この場所じゃ初採集だと仕方なく近づくと、様子がおかしい。確かに飛んでいるそれはホソアシナガの蛍光イエローなのだが、飛び方がいくぶんヘロヘロで頼りない。……これはもしや!と一気に振りぬく。
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やった。
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これは……ハチガタハバチ!ハチなのに~ガタという一見不名誉に見える名前がついているが、私はむしろこの名前はイカしてると思う。名前と姿は本で見たことがあったが、生で見るのは(標本も含め)初めてだった。本やネットで知っていながら実物を見たことがなかった虫の生きた姿をその目で見るのは、テレビに映る芸能人を生で見たときの感覚に似ている。なんだか緊張して、これがあの…となり、とても嬉しい。
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ハバチは肉食のものでもパッと見優しそうな顔をしているものが多い気がするが(ヒラクチハバチ除く)、コイツは見事にホソアシナガのガラの悪そうな顔を真似できている。
ネットで得た情報によると、触角鞭節の先の方が淡色なのでトガリハチガタハバチ(Tenthredo fortunei)ということになるのかな。
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ちなみに、本物も採れた。これはムモンホソ(Parapolybia crocea)。


段々陽が昇り気温も上がって、それに伴って飛ぶ虫も増えてきた。大型甲虫を採ったと思ったら単なるジョウカイボンだったということが2,3度あり、今度はスイープしてもそれっぽい影が見えたので逃がそうと思ったら、陽の光を違う色で反射した。ちょっと待って!と腕に指令を出すも少し遅く、思いっきり網を反転してそれは地面に落っこちた。
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叩き付けられたようで少しぐったりしていた。これはキンイロジョウカイ(Themus episcopalis)だ!綺麗なのと以前採った個体が酢エチ漬けになって色がくすんだことを思い出して、綺麗な標本にしてやるぞと声をかけ毒ビンに入れた。

その後も手を緩めることなく、
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ナミハゴロモカギバラバチ(Orthogonalys hagoromonis)とか、
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ケシジョウカイモドキ(Dasytes)の何かとか、
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よく跳んだ大きめのトビコバチとか、
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私にとって日本本土で初めてのジンガサハムシ、セモンジンガサハムシ(Cassida versicolor)を採集したりしながら、ずんずん進んでいった。

気が付けば採集用のビンは虫でいっぱいになり、とっても充実感。これが、これこそが虫採りなんだ…。お昼をちょっと過ぎたくらいで充実感を感じてしまい、なんだかやる気を失ってしまったので、予定より一本早いバスに乗るため下り始めた。もう少し頑張ればもっと採れたのだろうが、こうなってしまうとスイープに身が入らないので効率を考えてここで終わりにすることにした。バスが来るまでしばらくあるので、下りついでに用意していた篩と土嚢袋を取り出し、ツルグレン用に土を持ち帰った。今までツルグレンは戦績が悪かったので土嚢袋を用意しながら渋っていたが、この日は調子が良かったのでいけそうな気がする、と約一年ぶりに実行した。その結果がこちら。
Micropeplus flavus japonicus
セスジチビハネカクシ(Micropeplus flavus japonicus)。一回生の冬に初めて出会い、その姿に一目ぼれ。いい形過ぎる。今回久しぶりに出会えた。
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マメダルマコガネ。いっぱい落ちた。
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ネットで見たことのあるトビムシ。ワモンナガハムシ(Zeugophora annulata)みたいな模様がある。
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これは物凄く小さい。1mmくらい?
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アリで目ぼしいものは百歩譲ってこのダルマ(Discothyrea sauteri)とイトカギ(Proceratium itoi)くらい。やっぱりツルグレンで珍種は落とせないのか…。一応メモ程度に残しておくと、
ダルマ,イトカギ
ナカスジハリ,テラニシハリ
ウロコ,コツノ,アシナガ,ヒメムネボソ,キイシリ,アミメ
アメイロ,トビケ,ハヤシケ,ヒラアシ,ハヤクロ
が落ちた。やっぱりウロコとコツノはツルグレンだとかなりの数が集められるなぁ。個人的には、こんな低標高でヒメムネボソが採れたのが意外だった。
今回はまずまずの結果だったので、次回も余裕があったらツルグレンをしよう、と思ったツルグレン中にアリが脱走するのなんとかならないですかね

こんな感じで、長くなりましたがそのくらいいっぱいいろんな虫が採れた、個人的に絶好調な一日でした(後日、無理が祟って体調を崩しました)。

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