邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に綴っていく日記. コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).本ブログに掲載の物事はほとんどが未発表のものであり,報文・論文への引用は固くお断りしております.引用が必要な際は状況により情報を提供いたしますので,メッセージにてご連絡くださいませ.画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する御意見はブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は197種(雌124種,雄75種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2017年01月

15s
なんだ、タイトルに書いてあるほど大きくないじゃないか、と心の声が言いそうなフツーの大きさのトンボ。
これはオオキトンボ(Sympetrum uniforme)。所謂"赤トンボ"の中では大きい。似たキトンボ(Sympetrum croceolum)よりも大きい。翅一面に色付いた黄色が美しい。特に、飛んでいるときに陽の光が当たって反射している姿には言葉を失う。
このトンボはとっても珍しく、環境省のレッドではIB類に指定されている。環境省のIB類というと、他にはルイスハンミョウ(Cicindela lewisi)や、クロシジミ(Niphanda fusca)が指定されている。全く同列に語ることはできないが、この辺と同じくらい数が減っているといっていいくらい少ない虫らしい。

私はトンボ含め水生昆虫が好きなのだが、水生半翅や水生鞘翅(正しい呼び方かは分からない)と比べてトンボは身近な種の方が愛着があり、珍しい種類は"ふ~ん、近所にはいないんだ、つまんないな"と思っていて、本種もあまり記憶になかった。
最近になってこのトンボの希少さやカッコよさに気付き、この珍しいトンボが見られる場所があると知って絶対に見てみたいと思うようになった。大学1年のときは残念ながら空振り。2年のときは時間がなくて行けなかった。そして3年となり、ついに会いまみえた。図鑑で見た姿と違って少し困惑したが、翅の色が本種であることを語っていた。感動した。しかし、もっと昔から知っていればもっと感動できたかもしれない。幼い頃には、いろんな夢を持っておくべきだったな、と思った。
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ヒメオサ(Carabus japonicus japonicus)。地元じゃ一番見る顔。基本鞘翅のへりに緑のラインが入るのみで真っ黒。たまに四国でよく見る赤銅色のやつもいる。
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ウメマツアリ(Vollenhovia emeryi)。平地から山地までの朽木に住む普通種。今回は立ち枯れから出てきた。これは初めて(というか立ち枯れを見てまわること自体少ない)。
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オス。メスもいた。冬にはもう生産されているみたい。そういえば、初めてのヒメドロ採集のときに採れた羽アリも同定してみると本種だった。巣内で採ったことはあっても、飛行個体を採ったことはまだない。
寒い中、自分たちが空へ飛び立つ日を、いまかいまかと待ち続けるアリたち。春までは、もうちょっとかかる。
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makibashortmakibalong
地表をちょろちょろと歩くカメムシ。去年の春に初めて出会った。綺麗な色と滑らかなフォルムから最初に採った個体(右)を丁寧に標本にした。せっかくなので種名も知りたいな、と思って見慣れないカメムシの図鑑をめくると、とても似てるけど翅が飛べなさそうなくらい小さな種類が見つかった。
アシブトマキバサシガメ(Prostemma hilgendorffi)。普通種らしい。これの近縁種かな、と思って説明を読むと、普通は短翅だけど長翅もいるよ、と書いてあった。ということはコイツも同種か。シマアメンボみたいな感じで長翅はちょっぴりレアなのかなと思ったら、わりといるらしい。せっかくなので短翅型も欲しいと思い、採集して並べてみた。(余談ですが、サシガメ科だと思ってたらマキバサシガメ科ってまた別にあるんですね)。

地表生活に特化できるように翅が退化してるんだろうけど、そういえばシフティングで採れるカメムシたちはわりあい立派な翅をお持ちだったりする。生活圏への適応は仲間内では一歩リードしているのだろうか(カメムシの翅は普段たたんであるしあまり邪魔にも思えないが)。

素朴な疑問だが、こういう長翅型と短翅型がいる場合、長翅型は飛べるのだろうか。
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冬はネタが少ないので昨年のアリで一つ。
Aphaenogaster rugulosa-H
これ系の顔はよく見ます。アシナガ系。でも、これは特にシワの多い顔。
Aphaenogaster rugulosa
ヨナグニアシナガアリ(Aphaenogaster rugulosa)。与那国島固有のアリ。昨年与那国島を訪れた友人が捕まえたもの。女王も採れており、こちらの方も写真を撮っておきたいところ。

種小名の通り頭部と胸部にシワが多く、特に前胸背板全体をぐちゃぐちゃしたシワが覆う。シワの多い、黒っぽいヤマトアシナガ(A. japonica)のようなイメージ。与那国島にはもう一種クロミアシナガ(A. donann)がいるが、こちらは頭が長くアシナガ(A. famelica)っぽい。アシナガは南の方では島ごとに種分化していて、姿かたちはどれも似ているが、島ごとに楽しみがある仲間。個人的には黄色っぽい奴らを採ってみたい。
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あけましておめでとうございます。
新たな年、2017年が始まりました。
今年のテーマは「出」。
いろいろと書いているものが溜まってきました。しかしまだ全然世に出せていません。今年はそれらを世間にぱぶりっしゅし、有用な記録を増やしていきたいと思います。いえ、記録を出すのもいいですが、今年はそれよりも記載を頑張っていきたいです。
去年はいろんな昆虫や採集に目移りしてしまったので、今年はもっとアリを採りたいです。

今年も本ブログを宜しくお願いします。
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