邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ)を中心に、たまにしょうもない趣味を綴っていく日記。 笑いなしオチなしでの~んびりやっとります。コメントやリンクも大歓迎です(リンクの際はご一報ください)。画像の無断転載はお控えください。

現在、採集した日本産アリ類(2014~)は160種(雌85種,雄45種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2016年11月

アリ相の調査について書かれている報告をいくつか見ていくと、どの調査でも毎度毎度採れている種類がいることに気付く。例えばアメイロアリ(Nylanderia flavipes)であったり、クロヤマアリ(Formica japonica)であったり、トビイロケアリ(Lasius japonicus)であったり。
もう2年以上もアリを追いかけているので、この辺の種はどこに行っても採れるし、やっぱり普通種なんだなと実感させられる。
しかし、報告ではよく採れていると書かれているのにずーっと採ることができない種がいた。
Temnothorax spinosior-H
ハリナガムネボソアリ(Temnothorax spinosior)。ムネボソアリの仲間で、どうやら平地の開けた環境に多いらしい。結構な数の報告で、結構な数採れている。北方系というわけでもなく、四国や九州でもきちんと採れている。ネット上にもたくさん写真は落ちている。しかし、うーん、見たことがない。それまでアリ採集と言えば適当なルッキングと篩いをやっていたので樹上性でもない本種を採ることができないのは何かおかしいと思っていた。
初めて本種を見たのは昨年の初夏、大学構内で先輩が採ってきた虫の中に入っていた。
Temnothorax spinosior
ムネボソアリ(T. congruus)より少し小さくて、前伸腹節刺はムネボソより随分長くてかっこいい。早速採れたときの状況を聞いたが、こんなちっちゃい虫を採ったことなど記憶にあるはずもなく…どんなところにいたのか不明なまま数か月が過ぎた。

11月、寒い中いつもの調査場所で採集していたときのこと。たまにはルッキングでもしてみるかなと地面に目を向けたとき、それは歩いていた。黒くて小さなアリ。パッと見トビイロシワアリ(Tetramorium tsushimae)に見えたが、なんか細い。歩き方もちょっと違うような…。
一応吸ってみるか、と吸虫管で採集しよーく見ると…トゲ!!トゲがある!(トビシワの前伸腹節刺は非常に短い)黒くて、小さくて、地表を歩き、目に見えるほどのトゲが生えている…間違いない!
IMG_6452
これがハリムネ!!!やっと採れた!
周りをよく探すと、トビシワに紛れてポツポツと見つかる。結局10数頭を採集し、満足顔。ついに"普通種"をコンプリートしたんだという満足感からであった。
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全身真っ黒に見えて意外とオレンジっぽい部分も多い。

今年になって他の場所でもちょこっとずつ採れるようにはなったが、まだまだ普通種という程には採れていない。少ないと書いてあることもあるヒラタウロコ(Strumigenys canina)の方が、20倍くらい採れてるよ。私が採集下手だからか、採集方法が悪いのか。
この子が普通種と呼べるようになるには、まだまだ修行が必要である。

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赤いハラビロクロバチ。色以外は普通。
あまり色のあるものは見たことない気がする。それとも、機械的にソーティングしてて気付いてないだけ?
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今年最も通った場所で夏から秋にかけて採れたハチ。ジガバチモドキ。
ジガバチの体にギングチバチの頭をくっつけたような姿。これは多分ホソジガバチモドキ(Trypoxylon imayoshii)。
細くてやや小さめ。スイープでも、パントラップでもよく採れる。

ジガバチモドキの仲間とはまだ興味がアリばかりで全くハチを採っていなかった学部1年のとき、石垣島遠征で行ったイエローパンに入っていた個体が初めての出会いだった。その姿と、それまで全然ハチを採っていなかったこともありとても好きになった。採集しては検索表とにらめっこして同定し、何者であるか知るのが楽しみなハチ。ひっそりと収集中である。

大層なことをするつもりはないが、ちょこっとずつ蓄積して何か役に立つときがくるといいな、と思っている。
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先日祖父の家に行きました。私の虫とりの原点であるこの場所にはたくさんの虫がいます。
着いて玄関へ向かうと、虫がひっくり返ってました。起こしてみると…
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かなり消耗したセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)でした。動物の糞に集まる所謂糞虫ですが、深い紫がとても綺麗。幼い頃、初めてこの虫を見つけたときにあまりの美しさに手にとろうとしたのですが、本の"どうぶつのうんちをたべるきたないむし"という記述を思い出し手が引けてしまい、長らく見つけても綺麗だとは思いつつ"うわぁ…"と言いつつ避けていました(大学に入ってからは全然平気です)。もっと南に行けばいろんな色のコイツが同じ場所で採れるみたいですが、私にとってセンチコガネはこの紫色。オオセンチより小さくても、美しさは負けてません。

よく見るとこの個体以外にも玄関にいくつか転がっています。また、祖母が手入れしている家庭菜園でも、
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この通り。パッと見ただけで十数個体が息絶えていました。冬が近いからなのか、別に理由があるのか。近くの山にイノシシやハクビシン、シカやウサギなど餌の供給源はいますが、あまり家や菜園の近くには寄ってきません。
"今年はかんかん虫がえらい多いとばい"と祖母が一言。80を過ぎた祖母や90近い祖父は、コガネムシのことを"かんかん虫"と呼びます。なんか缶っぽいからそうなんだろうなと思って今まで語源を調べてこなかったのですが、先ほど調べてみると

船舶・煙突・ボイラーなどにへばりついて、ハンマーでたたいて、さび落としをする作業員の俗称。(goo国語辞書より)

ちゃんとした言葉としてあるようですが、コガネムシのことは言及されていません。しかしいくつかコガネムシをかんかん虫と言っていたとあるHPもあり、どれもお年寄りの発言だそう。ご年配の方にはそう言う方もいらっしゃるようです。
祖父母はこれ以外にもその場所(九州の田舎)で使われているいろんな動物の呼び方について教えてくれました。標準和名や学名と同じように、それぞれにetymology(語源)があります。まだペーペーもいいところですが、生き物に名前をつける分類学を志す者として、動物の名前について考えるのはとても大事なことに思えます。
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圃場でよく見るななつ星。
働くふりしてサボる学生に手本を見せるかのように、今日もせっせと害虫を駆除していく。


※後ろの人は写真撮ったときはちゃんと働いてました。
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