邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に綴っていく日記. コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).本ブログに掲載の物事はほとんどが未発表のものであり,報文・論文への引用は固くお断りしております.引用が必要な際は状況により情報を提供いたしますので,メッセージにてご連絡くださいませ.画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する御意見はブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は197種(雌124種,雄75種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2016年04月

先生の車に乗せてもらい、大学から近い山に採集へ。この山はいつも春にサークルで訪れる場所で、ある虫を狙っているが、今回は少し早いので気ままに膜翅採集することに。
着いて早々木々にハバチがたかっている。ものすごい数だったので、一振りで入った数だけ採集。
少し登ると、たくさんのトリカブトが迎えてくれる。あまりこちらは嬉しくない。葉の上にはハチやハエがよく止まっているので目立ち、採りやすいのはありがたい。
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このヒメハナバチが一番多かった。
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ぼんぶちゅ。隣のエンモンバチみたいなのも結構多く、初採集だったので嬉しかった。
歩くと段々植生が変わってきて、ササが目立つようになる。それに伴い、虫も変わってくる。
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ハラクシケ(Myrmica sp.)。北方系のアリで、愛媛含む四国では山のそこそこ高いとこにしかいない。北海道では平地に普通にいてビックリした。いいハチの寄主。この山では初確認だったので、夏にもう一度見に行こうかな。
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カドフシ(Mymecina nipponica)。これもやや山地性。平地にもたまにいる。今回はコロニー採集できた。
他にも、この山を副模式産地とするハヤシナガアリ(Stenamma owstoni)もいくつか採れた。同じくこの山が副模式産地のヒメナガ(S. nipponense)は本当にいるんですかね…。

今回もスイープメインだったのでいろんな顔が見られた。
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カタビロコバチの一種。コバチなのに大きい。長くて赤い腹部が良い。
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カミキリ。先生に見せたら学名を教えていただいたけどすぐに忘れてしまった。
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でかいの。こいつを入れてしばらくしてから他の虫を入れようと蓋を開けたら大空へ飛んでいかれた。
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ナギナタハバチ。初めて採った。そんなに普通の虫じゃないイメージだったのでかなり嬉しかった。触角が特徴的。
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また、メスのこの産卵管が特徴的。普通ハバチは手に取って眺めないと分からない短い産卵管しか持たないが、ナギナタハバチの仲間は長く伸びた立派な産卵管を持つ。最も原始的なハチだと言われている。

写真はないけどヒメバチも小さいのばかりであったがそこそこ採った。
今回の採集の一番の収穫は間違いなくナギナタ。いいですね。これに寄生するハバチヤドリヒメバチも、今後通えば採れるかも!?
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昨日は大学から近く、研究室の学生がちょっと採集に行きたいかなってときに行く場所へ行ってきました。山に入りかけの、平地と山地の間くらいの場所で、ここがなかなか虫が多い。
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ハンミョウ(Cicindela chinensis japonica)。美しい。綺麗で大きいので、いたらつい採ってしまう。このあとニワハンミョウ(Cicindela japana)を見つけ、せっかくだしとこちらも採集した。タイガービートルかっこいい。
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アブラナに集まるハナバチを採集していると飛んできた。真っ白のよりこっちの方が好き。
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なんか大きい蝶がヒラヒラと飛んでる…この遅さなら捕まえられそう!と思い一振り。クロコノマ(Melanitis phedima)。名前だけは覚えてても姿が全く思い出せなかった。チョウも一通り覚えなきゃなあ。
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ここには大きなクサアリの巣があり、好蟻性昆虫を気軽に摘まむことができる。シナノセスジいないかなあ。

アリはクロナガ(Messor aciculatus)のオスがたまに採れた。メスはなし。最近はアリよりハチなので、スイープで入る種だけに留まった。それでも10種は採った。去年来たときはあまりハチが採れなかったが、今年はスイープしまくっているのでいっぱいハチが入った。
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ヒラタヒメバチの何か。
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生い茂るスギナの間を飛ぶヒメバチ。トウヨウマルヒメバチ(Hadrodactylus orientalis)。普段見るCryptinaeとかPimplinaeとかOrthocentrinaeとは違う、マルヒメバチ亜科(Ctenopelmatinae)のヒメバチ。春になると大量に現れる普通種だが、春の到来を感じられ、そこそこ大きいので見栄えもして好きなヒメバチ。
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フトマルヒメバチの仲間(Euceros sp.)。採りたかったヒメバチの仲間で、オスの触角が途中で平たくつぶれたように幅広になる超かっこいハチ。でもこれはメスなので特にそんな特徴はない…。生態もカギバラバチやツチハンミョウに負けず劣らず変態的。

ハチが飛んでこないかと林縁で待ち伏せていたとき、大きな虫が横切るのが見えたので慌てて振ってなんとかネットイン。大きさから大きめのヒメバチか、勘違いでガガンボか…と思って中を覗くと…!?
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で、デカい!デカい蚊が入ってる!一目でオオカの仲間だと分かった。といっても有名なトワダオオカ(Toxorhynchites towadensis)くらいしか知らない。にしてもデカい!吸血するカをそのまま大きくしたものだとは聞いていたが、こんなに大きいとは…。しかも胸部の側縁に黄緑色の輝き、腹部も青い金属光沢。これは…いい虫だ。持ち帰ってハエに詳しい先輩に伺ったところ、トワダオオカで間違いないとのこと(トワダ以外のオオカ亜科は南西諸島にしかいないとかなんとか)。まさか会えると思っていなかったので、こんな四国の普通の山に、トワダオオカがいたことが驚きで、嬉しかった。

今回は虫が沢山見られて完全なシーズンの開始を感じられ、またいい出会いがいくつもあった。ただ、沢山採れると標本作りがけっこう大変…嬉しい悲鳴ですけどね(笑)
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何気なくトビイロシワアリ(Tetramorium tsushimae)を撮った写真。しかし、このアリの隣に、クロバチが写っていた。
好蟻性のクロバチはいくつか知られており、これもその類なのかもしれない。翅は短く、一見して小さなアリが歩いているように思える。
写真を整理していて気付いたので、採れなかったのが残念。
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前回の春の姫とは、別の姫。
毛が気持ちよさそうなこのハチは、ヒメハナバチ。早春に他のハチに先立って(ほんとかな?)登場する、顔に長い毛がいっぱい生えたハチ。たいした場所じゃないし普通種ですぐに落とせると思うが、気が向いたときに同定しよう。

にしても学会の5日前に採集とは余裕を見せましたな、私。
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長い間忘れていました。やっと完結です。
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最終日の朝。最初は雨風に打たれ大丈夫か心配したものですが、最後はこうやっていい天気。よかったよかた。
長い間お世話になったピットを全て回収。
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ツシマオサムシ(Carabus japonicus tsushimae)。最終日にしてやっと1つ入った…♀だったけど。

回収し終わると、最南端へ向かう。まだだいぶ時間はある。

天気良好。ハチぶんぶん飛んでる。
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きむね(Xylocopa appendiculata circumvolans)。あんまり採る気がなかったから撮っていた。
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ハラアカヤドリハキリバチ(Euaspis basalis)。労働寄生するハキリバチで、朱色の腹部がとってもGood!
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ぎんぐち。有剣界のマスコット。顔が大好き(かわいい顔参照)。今度図鑑で同定します。←イワタギングチ(Ectemnius schlettereri japonicus)でした。
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オオフタオビドロバチ対馬亜種(Anterhynchium flavomarginatum tsushimarum)。黒い。もうかっこいい。
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ここまで真っ黒なものもいた。本土産と並べるとなお良い。
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最南端で出会ったツマアカスズメ(V. v. nigrithorax)。もう隅々まで来てるんだなあ…。

駐車場へ戻ろうとしてぼちぼち歩いていたとき、細長い棒みたいなのが飛んでいるのが見えた。
初めて見たのに一瞬で分かった。
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子供がデザインしたような形。現代美術家がこういうの作ってそう。
オオコンボウヤセバチ(Gasteruption japonicum)。
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これは宇宙から来たって言っても信じてもらえそう。知らない人は初見でハチってことすら分からないようです。
ネットで見ていて生きたとこを見てみたいと思っていた好きなハチでしたが、今回で大好きになりました。小さな翅のわりにけっこう羽ばたきが強く風を感じました。

満足して対馬での採集は終了。
そして港へ。
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駐車完了したとき、メーターがきっちり9999。縁起よく終わりました。
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さらば、対馬。7日間ありがとう。また来るかも。

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