邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ)を中心に、たまにしょうもない趣味を綴っていく日記。 笑いなしオチなしでの~んびりやっとります。コメントやリンクも大歓迎です(リンクの際はご一報ください)。画像の無断転載はお控えください。

現在、採集した日本産アリ類(2014~)は159種!!!全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2016年02月

先日、今年就職する先輩と一緒に採集に行ってきました。
採集場所は大学から少し(?)離れた所で、自転車で坂道を登った後、林の中に流れる沢に沿って歩き、そのちょっと脇を登って現場へ。

これから採集…まず採集場所にたどり着くまでにヘトヘトになっているのに。まだまだ驚きは続きます。
こんなとこで採集……肩で息をする我々は、なぜか斜面に立っています。リュックから手鍬を取り出し、ヘッドライトをONして、斜面に向かって刃を立て始めました。どんどん掘っていきます。人入れますこれ。
ここまでして採れる虫とは………わずか数mmの飴色に輝く甲虫。

?????一般人に理解を求めるのはもはや野暮、虫屋からもため息が漏れる採集、チビゴミ掘り。
洞窟や地下浅層(この言葉がアリの図鑑で見る林床に近い感じがして好き)に住むメクラチビゴミムシを採集するのです。
話には聞いていましたが、すごい。これが究極の採集か。今回先輩からお誘いがなければ、こんな素晴らしい体験できずに学生終わってたかもしれません。
私はアリ屋(研究対象はハチ)なので、地中からアリや珍しいハチが出てくるという話を耳にし、同行することに。採集自体を楽しむことを目標に臨みました。

斜面に鍬で穴を掘っていきますが、意外と簡単に掘れ、あっという間に地下10cm、地下30cm、地下50cm。そこからは横に掘り進め、あっという間に数m掘れてしまいました。私は初めてで何も分からず、気が付けば足場に土が溜まって垂直の深さはあまりなくなっていましたが、最終的に5mくらいは掘れました。
地下には、普段目にすることのできない生き物がたくさん。
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暗い場所で酷い写真ばかり…。カニムシ。地下のカニムシはカッコイイやつがいくつもいて、"掘り"に行った先輩から見せてもらってうおぉー!となったことがあります。でもコレはその辺で見るヤツにも見えるけど…。

カニムシはそんなに出なかったものの、掘って出てくるのはヤスデかムカデかトビムシかハサミコムシで、昆虫(外顎綱)出てこねえ!!!と2人で嘆いていた。
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チャイロホソヒラタゴミムシ。ゴミムシやハネカクシは出てきたもののその数は少なかった。先輩は"今日は全然虫がいない"と仰っていて、いるときは沢山出るようだ。
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ゾウムシの幼虫。足がない。これを見るたびにおいしそうだなあ…と思う。
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掘るとアリもけっこう出てきた。一番多いのがアシナガ系。コロニーがいくつも出てきた。ウロコアリ(Strumigenys lewisi)やカドフシアリ(Myrmecina nipponica)やアメイロアリ(Nylanderia flavipes)も出てきたが、これらは多分リターから落っこちてきたり浅いとこにいるやつがポロッと落ちてきたんだと思う。地下深くに住むというムカシアリ(Leptanilla)出てこないかなと期待を寄せるも、やっぱりそんなに甘くない。
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こんなのも見つかりました。ミゾガシラアリ(Lordomyrma azumai)不思議な形をした珍種(キリッとした眉の希少種参照)。オスがいることから成熟したコロニーであることが分かるが、個体数は少ない。冬だから?そもそも少ない?いろいろ考えてしまう。オスは結構貴重なのでは。
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女王もいた(写真中央)。よって、お持ち帰りすることに。
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こんなのも。アリタケってやつだろうか。初めて見ました。
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このカッコいいシルエットは?
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Lathrobium sp.。地下浅層に住むハネカクシで、各地で種分化しているらしいです。独特の形をしていて、採りたいと思っていたので採れたときは喜んで写真を撮りましたが、ろくな写真がない上に気付いたら土の中に消えていってました…。先輩のご厚意によりいただきなんとか手元に一つは確保。

結果的にチビゴミは採れなかった(採集のうまい先輩すら1つも採れなかったのは意外)のですが、初体験で、大興奮の一日でした。
先輩とは今まで何度も採集に行き、この時期まで連れてってもらって本当に感謝です。来年度からいろいろ変わってくな…と頭の片隅で考えながら、ガンダムWの"思春期を殺した少年の翼"を2人で口ずさんで自転車を置いた場までの距離を歩きました。

帰りは行きの地獄と一変し下り坂だけで風が気持ちよかったのですが、吹かれ過ぎたのか、翌日風邪をひいてしまいました。

5日目の朝。採集地のすぐ近くで泊まっていたが、遅く起きたせいで先輩は既に採集に出かけていた。
眠くて山に登る気にならないので目の前のアベリアに来ているハチを狙うことに。
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ちょっと掬うだけでこれ。ハキリバチさんおはようございます。
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ふと美しいガが目にとまった。このガは私でも名前を知っている。オキナワルリチラシ(Eterusia aedea sugitanii)。翅の緑色が吸い込まれそうな美しさだ。顔も見たいな~、採集はその後でいいや~、とたかを括って写真を撮ろうとしたら飛んで行った。網を構えたときには姿はどこにもなかった。なにやってんだバカ。

先輩も朝の採集を一通り終え(足をダニにやられていた)、私がチョイスした採集地、島の北部へ。
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対馬ではこのようなものをいくつも見かける。これは、対馬の養蜂で用いられる蜂洞と呼ばれる巣箱で、下の隙間から蜂が出入りする。今回の採集では、ほとんどミツバチの入った箱は見られず、空のものばかりであった。それだけでなく、養蜂に用いられているニホンミツバチ(Apis carena japonica)も一頭も見かけなかった。これは"あのハチ"の影響も少しはあるのかな…そう思いながら進んでいくと、"あのハチ"が現れた。
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つい最近定着が確認された、ツマアカスズメバチ(Vespa velutina nigrithorax)。中国原産で近年急速に分布を拡大している外来種。今まで南部でばかり採集していたので姿を見なかったが、北部ではけっこう見られた。大きさは聞いていた通り小さい。色合いは南西諸島に生息するツマグロスズメ(V. affinis)を黒っぽくして腹部の黄色の位置を入れ替えたような感じ。北九州には来ちゃったけど、本土には来てほしくないなあ。

他にハナバチを大量に捕まえ、そこそこのテンションで日中の採集は終了。
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すっごく綺麗な夕焼けを見ながら(ではないが)北部の温泉に入り、夜へ備える。

この日は夜の山登り。昼間とは違う雰囲気にワクワクドキドキしながら登り、虫を見つけたらつまんでいく。
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もうお馴染みのアメイロオオアリ(C. devestivus)。この個体はメジャーワーカーで、頭が大きい。アメオオは基本的にクロオオアリ(C. japonicus)やムネアカオオアリ(C. obscuripes)より一回り小さいが、こいつはそれらと遜色ないサイズだった。
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森の住人風。今回多数見かけたことでどんなところにいるか分かったので、愛媛でも採ってやる。
写真には撮らなかったものの、アメオオの他にもチクシトゲアリ(Polyrhachis moesta)が複数得られた。意外と夜活動してる?
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あかがえる。
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石をひっくり返したらいたサンショウウオ。どの種類になるのだろう。
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キオビ(E. f. lucidofasciata)。いい色だ。
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タイショウオオキノコ(Episcapha morawitzi)3兄弟。いわゆる普通のオオキノコの色をしているが、デカい。

山には当然灯りなどないわけで、真っ暗闇を進んでいく。そんな中、上方に光が見えた。ライトの灯り。動いている。複数。
これは同業者に違いない、と思い駆け上る。出会ったのはkinkysの方々。Twitterでのフォロワーさんがちらほら。Twitterから同時期に対馬にいらっしゃることは存じてましたが、まさかここでお会いするとは(実は先輩は博多港で既に話していたらしい)。なかなか楽しくお話することができました。

秋の対馬の山中で、虫屋同士が立ち話にふける。いいものじゃないですか。

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4日目。市街地までやってきて、山登り。
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登り始めて2分で早くも悲しい光景。うう…オス欲しい…。
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樹液の出ている木はいくつもあって、コクワが採れた(いらない)。キイシリって樹液にもくるんですね。

木を見るのもそのくらいにして、レッツ篩い。
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ダルマ(Discothyrea sauteri)!まるっこくて超かわいいアリです。実は人生2個体目。
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キイロシリアゲアリ(Crematogaster osakensis)とハガヤスデ。好蟻性。
対馬でキイシリといえばヒゲブトアリヅカを見つけたかったが残念ながら発見できず。

大きな石の多い山で、石起こしが楽しい。登っていてふと石を見ると、動く小さな生き物。最初はアリかと思って採ろうとするものの…なんか違う?
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動きが速くてこんな写真しか撮れませんでした。ナナフシバチの仲間(Nipponosega sp.)です。
翅がなくアリみたい。頭は上から見るとまん丸で、目が大きい!これでセイボウの仲間なんです。採集から帰ってから気付きましたが、イエローパンのソーティング中にいくつか入っているのを確認し、結構いるんだな~と実感しました。
Nipponosega
標本写真。
Nipponosega-H
顔を見るとたしかにセイボウの仲間っぽいですね。
Nipponosega-H-D
さきほどの複眼の形、この単眼の配列…もしや、と思ったのですが、ちょっと残念なお話を聞いて種名はまだ保留に。そもそも合ってるかどうかも分からないですが。


意外と石の上も虫がいるかも…石を起こす前に確認作業を追加。すると石の上を歩く大きな影…あれは?
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お…?
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おおおおおおおお~~~~~!!!!!!アメイロオオアリ(Camponotus devestivus)の、"女王"です!
会いたかった…昆虫学会で何気なくこれを採って標本箱に並べていた子供を羨ましく思って数日、自分の手で発見しました!でかい!綺麗!オーラがありますよオーラが!
テンションマックスで疲れは吹き飛び、その後ピタリと虫が採れなくなってもニッコニコ。
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山からの眺め。対馬の街並みが見えます。
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とりあえず昼食をとり、下山しながらぼちぼち採集。

ぼちぼちの虫を採り、花が咲く場所でハナバチを待つ。
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大きい。多分オオハキリ(Chalicodoma sculpturalis)。やっぱ対馬はハキリバチが多い!ような気がした。


先輩も帰ってきて、風呂に入り夕ご飯を食べてさあ夜の採集へ。
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お馴染みタイワンオオテンダマ(E. quadriquttatus)。この日もいっぱいいた。
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アメオオ(C. devestivus)。見るたび昼間採った女王を思い出してニヤニヤ。
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ジャーーン!!!キオビオオキノコ(Episcapha flavofasciata lucidofasciata)~!!!
対馬に行く前に見た多数の採集記で、なんじゃこりゃ?すごいなこれ!と思っていた虫。青いような黄色いような緑のような…おおよそ形容しがたい色をしているすんばらしいオオキノコ。死ぬと残念な色になってしまうのが残念ですが、水に浸けると復活するので水分が関係しているのかなあ。
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キイシリのメスとオス。この種は複数のオスが一頭のメスにたかっているのをよく見かける。

この日はアメオオ女王やキオビが採れてふふ~ん♪とご機嫌の一日でした。

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昨日の未明に研究室分属の結果が届き、無事に昆虫の研究室に配属されることになりました。
大学に入って約2年、この日を待っていました。ほぼ研究室の一員のように扱ってもらってはいましたが、これでやっと仲間入りです。

これからもっともっと頑張っていきたいです。

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Anteoninae-H
一見普通のハチ。
Anteoninae
こう見てもわりと普通のハチ。なんか地味だ、って感じ。
でもよーく見ると…
Anteoninae1
脚の先に鎌がある!(見にくい!!)これはカマバチ科(Dryinidae)の一種で、ふ節が鎌状になっています。
カマバチというと大きな複眼と細い体をもつ種が真っ先に思い浮かびますが、こんな姿をしたものもいるのですね。あのカッコいい姿を想像していたのでこれがカマバチか…と知ってなんだか嬉しいような悲しいような微妙な気持ちに。恥ずかしながらカマバチだと気付かずアリガタバチのボックスに入れていました(笑)

最近はアリよりもハチの撮影が多く、肉眼では気付けなかった素晴らしい姿形に感動の毎日です。今回の写真のように大事な形質が隠れてしまっては意味がありません。分かりやすく、かつ綺麗な写真を目指していきます。
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