邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ)を中心に、たまにしょうもない趣味を綴っていく日記。 笑いなしオチなしでの~んびりやっとります。コメントやリンクも大歓迎です(リンクの際はご一報ください)。画像の無断転載はお控えください。

現在、採集した日本産アリ類(2014~)は159種(雌81種,雄42種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2015年06月

昨日と今日で某学会の支部会が行われた。私は昨年に続いて参加し、今回も見る側。来年は立つ側になるだろう。
今回の支部会は瀬戸内の小さな島で開かれた。瀬戸内の島は変なところがあると聞いており、何が採れるのか楽しみにしていた。
この島で採集を始めて気付いたのが、ヤブキリの多さである。
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いたるところにいた。ヤブキリは樹上性のキリギリスで低い葉の上にはいないイメージだったが、この島では手で捕まえられるような場所にもいた。しかも黒化型個体も多く(というか黒い方が緑色型より多いくらい)なんとも変だと思った。
またハチ類が非常に多くブンブン飛び回っており、普段ハチを採集しない人々まで網を構え採集していた。
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その中でもベッコウバチが特に多く、大きなベッコウバチがあちこちで飛んでいた。ベッコウバチが大好きな私はとりあえず捕まえられるだけ捕まえた。
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海岸でツチバチを捕まえていたとき、ベッコウバチらしきハチが来たので写真を撮ろうかと思って撮るだけで逃がしたのだが、あとで確認するとベッコウバチによく似たヒメバチだったようで、逃がしたことをけっこう後悔した。
なんとなく違う気はしたけど、パッと見すごく似てたんだもの…。
研究の相棒であるヒメバチを取り逃がしたことを後悔しつつも、ベッコウバチや珍しいハキリバチなどハチ三昧の採集ができたことに感謝しながら、今回の支部会は終了した。

眼下に広がる海、強い風に叩かれ刃こぼれしたような岩。磯の香りが体を通り抜けるそんな場所に、たくましく生きるアリがいる。
そのアリは日本の腹側にのみ産する。光沢を放ち岩場を縦横無尽に走る者……イソアシナガアリ。
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岩場に潜む狩人。
常に腹を曲げ、近くを通る者あらば捕らえ糧とする。
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また一人、こやつらの胃袋におさまる者が…。今まさに、生きてきた記憶が走馬灯のように駆け巡っていることだろう…。
こやつらに"遠慮"の言葉はない。命乞いする者あらば、こう返す。
"そこにいたお前が悪いのだ"





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イソアシナガアリ(Aphaenogaster osimensis)。私の好きなアリの一つで、その姿を見たかったアリの一つだ。
太平洋側にマーカーを引いたような分布、海に近い岩場に営巣する習性、ツヤツヤとした体、そしてなにより"腹曲げ行動"をすること、こういった多くの魅力が、私を惹きつける。
特に腹曲げ行動は、他のアシナガアリでも見られる行動ではあるのだが、このアリを見たとき衝撃を受けた。
他種の腹曲げ行動が獲物を探し見つけ出したときや巣を暴かれ警戒しているときである(今まで見た種は)のに対し、この種はほぼ常に"腹曲げ"しており、真上から見ると腹部の切れたアリが歩いているように見える。
この光景を目の当りにした瞬間、感動した。アリを捕まえて感動したことは嬉しいことに最近よくあるのだが、見つけて感動したのは本当に久しぶりだった。捕まえた標本の一部は腹曲げをしたポーズで整形し四角台紙に貼った。出会って、更に好きになった。
彼女たちは今日も妹達のために走り回り、ダンゴムシやヨコエビを狩る。腹を曲げながら。
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6月ごろに自動販売機やコンビニでよく見かけるこの虫。一見ハチのように見えるが、腹柄節があり、アリである。
これはオオハリアリ(B. chinensis)のオス。ハリアリの仲間にはこのようにオスがハチっぽい形をしているものが多い。ハリアリが原始的な部類であると言われる理由の一つである。対してメスはワーカーに非常によく似た姿をしている。
オスの形態もよく見るととても面白いので、余裕があれば今後調べていきたいと思う。
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5日目。まだ半分も経っていないのかと今までに起こった出来事を振り返りながら改めて11日間という長さを実感する。
この日は朝にトラップを回収し、その後アダンを求め彷徨う。なぜか。それはアダンの隙間にある虫が住んでいるからだ。
アダンのトゲに苦戦しながら、バリバリしていく(やっていたのは友人で、私はトゲが痛くてその辺りでチョウチョを採っていた)。
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キノボリトカゲが可愛かったので何枚も写真を撮っていた。よかったことにアダンに潜むゴミムシは何匹も採ることができたようで、いい気持ちで次の場所へ向かうことができた。先日も訪れた場所で、また採集をする。
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ヒメオオズアリ(Pheidole pieli)。南方系のオオズアリで、九州や南西諸島には多い小さなオオズ。運よくコロニーを発見できたので女王もゲット。
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ケブカアメイロアリ(Nylanderia amia)。黒っぽいアメイロアリで、顕微鏡で見ると分かるのだが胸部や腹部に何本もの剛毛が生えている。
ヒメオオズのコロニーを見つけた切り株をもう少しよく観察してみると、なにやら動く黒い物体。
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ヤエヤマサソリ(Liocheles australasiae)だ!日本に生息するサソリで、毒は弱い。弱いとは聞いていたが少し恐ろしかったので、恐る恐る触るが…刺さないしハサミで挟もうともしない。
一気に可愛いマスコットと化した。他に複数見つけ、可愛さのあまり指に乗っけて遊んでいた。
実はヤエヤマサソリは幼い頃図鑑で見て以来憧れていた虫で、実際に目で見て触ることができて本当に幸せな気分になった。

しばらくして斜面を登り、カと格闘しながら材を割っていく。既に前の方で友人がバシバシやっている。
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クビナガアシナガアリ(A. gracillima)。既に何度もこのブログに登場しているアシナガアリだ。本土のアシナガアリを更に赤くしたようなアリで、石垣島で捕まえたかったアリの一つでもあった。

この勢いで調子付いた私は、友人が壊した材を篩っておこぼれを狙う。
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おっと、ゴミムシが入った。ん…?
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この色、大きさ、このゴミムシは…!
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オオエグリゴミムシ(Eustra chinensis)だ!ヒゲブトオサムシ科の好蟻性のエグリゴミムシで、日本では石垣島と西表島でしか見つかっていない。寄主のアリの巣からではなかったが、こいつは間違いなくオオエグリだ。まさか採れるとは思っておらず、とてもとても嬉しかった。
友人もめでたく石垣島に来た最大の目的の昆虫を捕まえることに成功し、非常に非常にいい一日になった。

日も暮れかかったところで海岸へ行き、アシブトメミズムシ(Nerthra macrothorax)を探す。友人たちは早々に見つけたものの私は見つけることができず…。代わりにキベリアオドウガネ(A. shirakii)を捕まえた(拾った)。なぜ砂浜にいたのか。不思議。
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その後は砂浜をじっと見つめ、トビムシを視界から除外しながら海浜性のハネカクシを一心不乱に吸う。
学生風情の2人が砂浜にしゃがんで無表情で吸虫管を咥える姿はさぞ奇怪であっただろう。
この日は珍しくなんのトラブルもなく終了、採集成果もなかなかに良いものとなった。
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クビナガアシナガアリ(A. gracillima)のケースを見ていると、何やら黒くて翅の生えたものが…一瞬ハチに見えたがよーく見てみると…。
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あ、オスだ。このコロニーそんなに大きかったっけ。まだワーカー100もいないのに。周りを見るとオスらしき蛹が複数。
偶産だよなあ…時期外れのオスはワーカーから殺されることが多い。何の役にも立たないので。でもアシナガの結婚飛行って夏?なら時期としては合っている。女王っぽい幼虫も蛹もないけど。
この子たちお姉さんたちに殺されるならその前に標本にしたいな。
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