邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に綴っていく日記. コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).本ブログに掲載の物事はほとんどが未発表のものであり,報文・論文への引用は固くお断りしております.引用が必要な際は状況により情報を提供いたしますので,メッセージにてご連絡くださいませ.画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する御意見はブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は197種(雌124種,雄75種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

2015年05月

今日は昨日灯火を見に行った近所の林に行ってきた。週末3連荘、虫とりライフが充実している。
まずは花を見てハチを掬おうと思ったが…キマダラハナバチ(Nomada)しかいない。2種か3種はいたかな…とりあえず採集。
この場所は坂になっていて登るのが少ししんどいので普段は入口をうろうろしているのだが、久しぶりに上に登ってみる。以前マナコハリアリ(Ponera kohmoku)が採れた場所で篩う。
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採れた。マナコハリアリだ。普通種のテラニシハリアリ(P. scabra)に似ているが、腹柄節の後縁がテラニシは上に弧を描くのに対しマナコは下にゆるやかに弧を描く。また、テラニシの複眼は顕微鏡で見ても小さくてよく見えないが、マナコは顕微鏡で見るとはっきり分かる。テラニシと思って撮影していないのか、やや珍しいのか分からないがネット上や文献に画像が少ない。
その後、人通りの多い林道でひっそりと篩う。すると…
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カギバラアリだ!この場所に生息するのは目録で知っていたが、ここは勿論、愛媛でカギバラアリを採集したのは初めてだった。嬉しくて小さくガッツポーズ。鉤腹状に曲がった腹部に節足動物の卵を抱え、餌とする変わったアリだ。3mmとこの手のアリにしては大きいのもポイントが高い。
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顕微鏡で見てイトウカギバラアリ(Proceratium itoi)と同定した。この属は種小名がまんまだから覚えやすい。
歩いたり篩っている最中に寄ってくるカやハエを振り払うこと(あとアミメとラシウスとブラキばかり出てくることでも)で疲れてきて帰りたくなったが、今まで採集したことのない場所で何かしらいいものを捕まえるために、気力で登る。照葉樹から広葉樹の林に変わったところで、篩う。登城客などおかまいなし、道で堂々と篩う。アミメアリ、ケアリ、オオハリアリ…。またこいつらか……と思ってため息をついたとき、何か小さな赤いものが動いた。初めて見たが、一目でこれだと分かった。先ほど採ったカギバラアリを縮小したようなこのアリは…!!!
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太い触覚、赤い体、曲がった腹部。間違いない、ダルマアリ(Discothyrea sauteri)だ!あまりの嬉しさに、「ダルマ!!ダルマ!!!」と叫んでしまった。登城客が聞けば意味不明だろう。それほど感動したのだ。ダルマアリはカギバラアリと同じカギバラアリ亜科(Proceratiinae)のアリで、カギバラアリと同じような食生活を送っている。2mmという小さな体ながら、存在感を感じさせるアリだ。
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ずんぐりむっくりな体型に太く短い触覚がキュートな、大好きなアリ、そして生きている姿を見たかったアリだ。このアリは県内では見つかっていた(アリ調査参照)が、この場所での記録は初である。憧れの虫を見ることができたとき、最高の気分を味わえる。これだから昆虫採集はやめられない。
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昨日少し灯火を見に行ったこともあり、今日はきちんと採集装備をして灯火へ向かった。昨日と比べると随分寒く虫は少なかったが、灯火を見に行って虫が採れる時期になったと実感した。
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キイロシリアゲアリ(C. osakensis)と、一緒によくいるハネカクシ。近くにはいるがキイシリが触れるとチョロチョロと逃げる。好蟻性かは不明。
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フタフシの女王。キイロオオシワがそばにいたからそれの女王とばかり思っていたが手元にはウメマツ女王の標本が。とりあえず濁しておく。
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白いオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)。この場所はものすごい数のダンゴムシがいるのだが、その中にこんな白い個体がいるととても映える。
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ニホンアカザトウムシ(Pseudobiantes japonicus)。アカザトウムシは体と脚が太く、触肢が鎌状になっていてとてもかっこいい。

…と、あまりアリは写真におさめていないが、アリ屋としてきちんと採集はしている。今日も1時間の採集でルッキングのみで11種捕まえた。
"ここから独り言"…アリを探すと分かるのが、昼間よりも黄色いアリを見かける頻度が高いことである。先のキイシリやキイロオオシワ、アズマオオズアリ、トフシアリ、キイロヒメアリなどである。これらの多くは朽木や土中に営巣し、日中は外を歩いている姿をあまり見かけない。が、夜間は他のアリよりも多く見かける(ケアリやアミメは除く)。黄色く色素の薄いこれらのアリたちは、朽木中や土中で生活が完結しているのではなく、夜行性が強い性質も持っているのだと思う。夜行性で有名なアメイロオオアリも、色は薄い(ミカド?誰でしょう)。
昼間とは一味違うアリたちの姿を見ることができる、夜のアリ探しもなかなかよいものだと思う。
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しばらく家のアリを載せていなかったので久々に(ネタが切れたのだ)。
ニシムネアカは…あまり調子がよくない。ワーカーも女王も餌は食べるのだが、幼虫は小さく卵も見当たらない。
去年は数倍悪い環境で育ててたのによく増えていた。何が悪いのやら…。
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クビナガアシナガアリ(Aphaenogaster gracillima)。けっこう成長度合いはバラバラで、各ステージが万遍なくいる。卵塊もあり安心。よく見ると幼虫と蛹にダニがついている。吸血しているのだろうか。
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オオシワアリ(Tetramorium bicarinatum)。すこぶる順調。捕獲してきて一年が経つが、5倍ほどに増えている。そしてこの蛹の量。まだまだ幼虫も控えている。沢山の薄い色をしたワーカーを見られるのが非常に楽しみである。
今はどのコロニーも採り置きしたシロアリを美味しそうに八つ裂きにしている。また餌を採ってこなければ。謎のマイナーっぷりを見せる我が家のアリたち。彼女らは疲れたこの身を癒してくれる女神たちなのだ。
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クサアリ。
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ハネカクシ。
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2人は…
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仲良し。
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本記事はアリ好きのために書き連ねるものであり有象無象の販売業者の同定を手助けするものではありません.そのあたりを業者はき違えぬよう,決して同定に利用しないよう気を付けて直ちにこのページから去ること.不遜な業者および飼育屋による本記事の利用が判明した場合は即刻公開を中止します.

クサアリ(Dendlolasius)。アリの中でも同定の難しいケアリ属(Lasius)の中でも最難関と言われている。
私は確実に同定できていると思われるヒラアシクサアリ(旧称クサアリモドキ)以外はつい最近まで採集できていなかった。そして採集したわけだが、分からない。
ƒクサアリƒŠ
くさあり
これは私が先日近所で捕まえたクサアリ。腹柄節は低く、緩やかに尖る。
クサあり
こちらは昨日友人が別の場所で捕まえたクサアリ。上のクサアリに比べ腹柄節は薄く、少しだけ高いような…標本が悪い。
上二つはクロクサっぽく見えるが、下の奴が分からない。モリシタ…?きちんと同定された標本を見たことがないので分からない。複数見てみると、意外と腹柄節にも違いがあるように思える。
やっとこさLasiusが同定できそうになってきた矢先に、こいつらがやってきた。
分かる方、ご教示賜りたく存じます。

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