最近,とある事情があってキイロヒメアリ(Monomorium triviale)を探している.コロニーを見つけるのは私には至難の業で,ワーカーがちょこちょこ採れるだけでギブアップしてしまう.

先日採集に行った場所ではワーカーがいたのでTwitterにウロコアリたちに混ぜて(他にいいものがいなかったので)投稿したら,コメントをいただいた.
kiihime-
こういう下手な上に紛らわしい写真だった.何にでも見えてしまう気がする.

そのときふと思いつき検索をかけると,トフシアリ(Solenopsis japonica)とキイヒメが混同されている例をいくつか見かけた.確かに両者似ている.属も違うのに.データベースのキイヒメの解説ページでもトフシに似てるよ,と書いてある.私自身,両種が似ていることで不便していた時代があった(今も生態写真じゃ分からないときがある).

リンクにあるように土壌中に見つかる黄色くてちっこいフタフシアリの中で,トフシアリ,キイロヒメアリ,あとヒメオオズアリ(Pheidole pieli)(西南日本に限ると思います)はパッと見よく似ている.この内ヒメオオズは上のリンク先にも書いてあるように歩き方や背格好が違うのでまだいいとして,トフシとキイヒメは似ている.他人の空似だがそっくりだ.
tohusi
これはトフシ.棍棒部が2節かどうか…というのは肉眼では勿論のこと,写真をトリミングしても分からないことが多々ある.

私はちょっと暗い黄褐色だったらトフシ,綺麗な黄色からオレンジだったらキイヒメかな,とその場では判断しているがやはり顕微鏡がないと答えは出せない.

そこで,いい機会だと思って両種を比較してみることにした.後半へ続く(キートン山田風).