私はアリが好きで、集めていることはこのブログを読まれている方は当然ご存知だと思います(アリ以外の話題すごく少ないしね)。また、ハチについて調べていることから普段からアリ以外のハチの仲間も採るのですが、なんの因果かアリと名前のつくハチによく縁があります。
和名にアリの名を冠すハチは、アリバチ、アリバチモドキ(今日ではアリバチ科に入っています)、アリガタバチ、アリモドキバチ、シロアリモドキヤドリバチ、アリヤドリバチ、アリヤドリコバチ、アリヤドリコマユバチがいます。偉そうに縁があると書いておきながらアリヤドリコバチとアリヤドリコマユバチとシロアリモドキヤドリバチは捕まえたことがありませんが(後ろ2つは珍しいから許してください)、他は一通り採っていて、なおかつ結構採集したハチの中で割合が高いような気がします。書き進めていてそうでもない気がしてきました。

世に数多あるアリと名前のつくハチの中で、極めつけに変わったハチはアリモドキバチ(Embolemidae)でしょう。
アリモドキバチはセイボウ上科に属するハチで、地中性のウンカに寄生します。ウンカの脇腹にくっついた幼虫は、同上科で同じようにウンカに寄生するカマバチの仲間と似たように見えます。
メスはアリのように無翅のものもいて、飛べないような小さな翅を持つだけのものもいます。また地下で生活を送るためか複眼が退化傾向にあります。大きさもちょうど小型~中型のアリと同じくらいで、これを一瞬見ただけだとアリに見えるかもしれません。私は生きたものを見たことがないので想像ですが。

対してオスは有翅で、目も大きいです。頭がメスと同様洋ナシ型をしていること以外は、普通のハチじゃん、って感じがします。
emboke os
オスはマレーゼトラップやスウィ―ピングでよく得られるようで、私も毎年たくさんのアリモドキバチを捕まえています。見た目はコマユバチかハエヤドリクロバチに少し似ていますが、動きがやたら俊敏で、網の中で動いている姿を見ただけですぐにアリモドキバチだな、と分かります。
embole osu
日本には7種が住んでいて、その性別が見つかっているものでは種類を調べることもできます。
しかし、オスの場合は交尾器を見る必要があり、種類を調べるだけでも少し面倒です。
触角の長さの比で同定できるという検索表もあったので写真では柄節の長さ(赤棒)と鞭節第1節の長さを比較してみましたが、これだけでははっきりと区別はできないようです。
embole osu2
embole osu3
角度の関係もありますが、一番上の個体と下2つは触角の比率は違いそうです。ちなみに、一採集地において、一番上のように鞭節第1節が柄節の2.5~3倍ほどの個体が9割ほどを占めました。余裕があれば交尾器も見てみたいところです。

アリモドキバチは最初発見されたときクシケアリ(Myrmica)の巣から見つかったことから、好蟻性ではないかと言われていました。今日では否定されていますが、アリと関わりがあるように思われていたことや、なぜかよく採れることなど、なんとなく縁を感じてしまうことがあります。いつかメスを見てみたいものです。ツルグレンやチビゴミ掘りを続けていれば、珍なアリとともにひょこっと現れてくれそうな気がします。