クシケアリの巣を求めて高い高い山へ登ったときのこと。
クシケ、いないかなぁ、と石をひっくり返しながら登山客に怪しまれながら歩いていく。
薄暗く、少し湿った斜面に大きな石が二つあった。これは何かいるぞ…期待を膨らませてよっこいしょ。
めくった瞬間に飛び込んできたのは、

アシナガアリ(Aphaenogaster famelica)。外れだ…がっかりして石を戻そうとしたとき、視界の隅に黄色い煌めきが見えた。
ん?よく見るとけっこういる。そして、アシナガアリと揉めている。
これは…!
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黄色いケアリだ!この仲間は土中営巣種とされているが、これまで友人が朽木中から捕まえたヒメキイロケアリ(Lasius talpa)、昨年この山を訪れた際にリター中から一頭だけ見つけたミナミキイロケアリ(L. sonobei)など、どれも土の中に巣があるという実感を得られなかった。しかし、今回は土の中からわらわら出てくる。まさに土中営巣。そしてコロニーということは…これは期待できるぞ。
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アシナガアリと揉める黄色いケアリ。複数種のアリが同じ石の下にコロニーを作っていることはけっこうあるが、なぜかその時点ではうまく付き合えている。人間によって石を取り去られると、隣人関係が崩壊してしまう。不思議な光景だ。

リターを掬う用のスコップで土を掘っていく。本来の用途で使われてスコップも嬉しそう。
そういえば、ひっくり返した石の隣にもう一個大きめの石がある。少し深めに刺さっている。抜こう。
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やった!あたり!黄色い煌めきがあちこちに。
よく見ると、羽っぽいものが見える。これはもしや…
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やった~!羽アリゲット!そういえば、黄色い系のケアリは秋に飛ぶんだっけ。雄も雌も大漁だ。
いくつか100%エタノールに入れ、DNAを調べる用も確保。あとは好きに吸い込んでいく。
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さぁ、同定だ。見る限り立毛は殆どなくて、光を当てると伏毛でキラキラしている。ヒメではないな。
あとは複眼の大きさだが、これはその場では確認できなかった。大きめのキイロケアリ(L. flavus)も結構小さい。
観察して写真を撮るのが楽しみだ。

※追記
ミナミキイロケアリ(L. sonobei)だった。キイロケ(L. flavus)でなかったのが残念だったが、コロニー採集できたことを考えるとかえってよかったかもしれない。
かつて対馬で採集した女王と見比べて、同定ができるかもしれない。答え合わせはワクワクする。