さて4日目。この日はやや天気が良くなり朝から少し遠出をする。この日訪れた場所はある昆虫が採れる有名なスポットで、時期になると大量のレンタカーがやってくる。
ミーハーな虫がどうとかお構いなしに各々好きなように昆虫採集を行う。
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これが私の基本採集スタイル。篩いとスコップを装備し、落ち葉や土をゆさゆさする。捕虫網は気分次第で装備したりしなかったり。
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頭にオプションを取り付けたカニムシ。なんだか強そうである。しかも可愛い。
クロヒメアリ(Monomorium chinense)やカドヒメアリ(Syllophopsis sechellensis)を採集し、南国感を満喫。その後、気分転換にオオゴマダラを捕まえ、また篩う。2mmほどの黄色いアリを見つけ、カドヒメアリかと思ったが少し大きい気がする。これはもしや…?
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写真を撮り、確認する。心臓の鼓動が聞こえ、心の中で大きくガッツポーズ。この大きさ、色、そして特徴的な前伸腹節刺。間違いない、このアリはカクバラアリ(Recurvidris recurvispinosa)だ。
日本では石垣島と西表島だけに生息し、日本産唯一のカクバラアリ属(Recurvidris)のアリである。IMG_4929 (2)
特徴はなんと言ってもこの前伸腹節刺。前方に向かってカールするこの刺が痺れるほどカッコいい。石垣島に行ったら捕まえたいと思っていたアリの一つで、この日の朝も"カクバラつかまえてぇ~"とボソッと呟いていた。
ネット上に画像が少なく、またかのデータベースでは標本はボロい、稀と書いてあるなどものすごい珍しさも兼ね備えたアリだと思っていた。
採集地には意外と多く、珍しい種ではないようだった。しかしカッコいいアリであることに違いはなく、嬉しさのあまり100頭ほどエタノール管に入れてしまっていた。
調子が上がり、午後の採集もなかなか良いものになるのだが、その後私たちに最大の試練が訪れるのであった。それはまた次回に。