邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ・ハチ)を中心に綴っていく日記. コメントやリンク大歓迎です (リンクの際はご一報ください).本ブログに掲載の物事はほとんどが未発表のものであり,報文・論文への引用は固くお断りしております.引用が必要な際は状況により情報を提供いたしますので,メッセージにてご連絡くださいませ.画像の無断転載はお控えください.当ブログの管理人および記事に登場する人物は実在の人物とは基本的に無関係です.当ブログの運営に関する御意見はブログ内でのみ受け付けます.ご了承ください.

現在、自己採集した日本産アリ類(2014~)は197種(雌124種,雄75種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

ハチ会議の一週間前,実家に帰って採集に出かけた.ハチ屋らしくハチばかり採ったが,集中していて写真をほとんど撮っていないので撮影しやすい数が多くて動きのとろいアリさんたちをご紹介.
Strumigenys lewisi2
シフティングの常連,ウロコアリ(Strumigenys lewisi).こいつが採れなきゃ篩ってないも同然,良い採集地では必ずといって良いほど見られる.ハート形の頭に長い大腮が生える.小さくても造形は一級品のかっこいいアリ.
Strumigenys canina
同じくウロコアリ,ヒラタウロコアリ(Strumigenys canina)の女王.たいそうな扱いを受けることもあるが,西日本のちょっとした低地の林では普通.よく見ると盾みたいな顔がかっこいい.
Crematogaster nawai
低草本を歩き回るのはツヤシリアゲアリ(Crematogaster nawai).地上を徘徊するイメージが強いが,ちょっとした高さの草木なら登るようだ.大きいしツヤツヤしててかっこいい.

場所を変えて,河原.
Lasius yokuwakaranensis
ケアリ亜属の何か(Lasius sp.).カワラケにしては毛が少ないような…でもここではちゃんとしたカワラケも採れてるし……よーわからん!
Solenopsis japonica-major
トフシアリ(Solenopsis japonica).あのヒアリと同属だが,小さいし針は刺さらない.2型あって,こいつは大型の方.林内ではあんまり外を出歩いている姿は見ないが(見えない),河原だとトコトコ目立つところを歩いている.

最後に駅前の花壇.
Nylanderia amia2
ケブカアメイロアリ(Nylanderia amia).外来アリ.漆黒の体をしていてよく見ると太い毛がたくさん生えている.動きはめっちゃ早い.本来見つかってはいけないアリ.アメイロの中では大きいし真っ黒つやつやでかっこいい種ではあるんだが….


地元の中途半端な田舎でも,場所を変えればいろんなアリに出会える.いつも珍な人たちばかりを血眼になって探しているが,たまには普通種とのんびり過ごすのもいいかもしれない.
このエントリーをはてなブックマークに追加

7月初め.海に行きたくなった.勿論泳ぎにではないし,女の子とイチャイチャするためでもない(水着もサンダルも高校時代から更新されていない).

海というのは,私にとってあまり身近ではなく,海に近い松山に住んでいた頃も,1回生の春に採集で行っただけ.
せっかく福岡に越してきて,海も更に近くなったので,ちょっと出かけたくなった.

電車で数駅,砂浜に到着.暑い……よく見ると,浜を大型のハチが飛び回っている.ツチバチか…そう思ってスルーしていると,一個体が砂浜に降り立った.
Bembix nipponica2
これは…ツチバチじゃない!!!
ニッポンハナダカバチ(Bembix nipponica)だ!えー!こんなに大きいの!想像の3倍くらいあった.
あちこち飛んでるやつも全部ハナダカバチか…こんなところにいたなんて…
Bembix nipponica
なかなか止まってくれないので,写真が撮れない.
turiabu
ニッポンハナダカの巣の近くに,ツリアブが産卵していた.慌てて成虫が追い払っていたが,もう遅いのかもしれない.
Bembix nipponica3
最初に観察した場所から少し進んだところに,警戒心の薄い写真向きのお二人がいた.飛んでるところとか,動画とかいっぱい撮った.

海岸は暑い.撮影していると汗だくになる.少し木陰で涼んでいると,松林から黒光りする大きな虫が飛び出した.慌ててネットを振ると,たまたま入ってくれた.
kurotama
クロタマムシ(Buprestis haemorrhoidalis japanensis).このくらい大きいタマムシはヤマトしか採ったことがなかったので嬉しかった.短いアルミロッドとシフターしか持ってない人はタマムシ採るのに向いてない.

以下見られたもの.
gomidama
ゴミダマ.ハマヒョウタンは多すぎたので割愛.
kumo
大きいクモ.クモいっぱいいたが,アルコールを持って来忘れたので何一つ採ってない.
Monomorium intrudens
ヒメアリ(Monomorium intrudens)の女王.波がすぐそばに迫る場所にコロニーがあった.こんな乾燥したとこにコロニーがあるとは考え難いので,上から流されてきたのかも.アリはこうやって分布を広げていったんですね.

真夏を前にして激暑な砂浜であったが,それに見合う成果は得られた.海で採集するのも,なかなかにいいもんだな,と思えた一日だった.
このエントリーをはてなブックマークに追加

Stizus pulcherrimus
キアシハナダカバチモドキ(Stizus pulcherrimus).
素早そうな顔をしてるくせに,ハナダカバチと比べると随分とノロノロと飛んでいてビックリ.福浦みたいな感じ.
ここにはボコボコと巣穴が開いていた.鈍いせいか,スズメについばまれている個体もいた.

分布は広いけど局所的.最近数を減らしてるようだ.綺麗だし大きいし珍しいしで人気が高い.愛媛県では,山本・羽田(2011)と高橋・白石(2018)の記録がある.おとなりの香川ではよく調べられているみたい.

単純に好き.減って欲しくないものだ.


高橋秀人・白石正人,2018.愛媛県蜂類分布資料 (XIII).げんせい,94: 3 - 5.

山本栄治・羽田義任,2011.今治市医王池でオオハヤバチとキアシハナダカバチモドキを採集.しこくこげら,(8): 55.
このエントリーをはてなブックマークに追加

松山から帰ってきました.刺激ばかりの10日間でした.
このエントリーをはてなブックマークに追加

夏がやってきて,自販機やビニコンも賑わってきた.
Camponotus vitiosus-female
よく見る大きなアリ.ウメマツオオアリ(Camponotus vitiosus)のメス.
Brachyponera chinensis-male
黄色くてハチみたいなやつ.オオハリアリ(Brachyponera chinensis)のオス.メスより圧倒的に見かける気がする.6月ぐらいから9月くらいまでダラダラ見られる.
Chthonolasius-male
●●アメイロケアリ(Lasius sp.)のオス.大腮が開いてたから分かると思ったけど写真じゃ無理だった.標本見た後ちゃんと書きます.翅の根元が黒い.アメケとクサアリはオスメスともにこんな翅なので,ただのLasiusと混じってても一見して分かる.
Colobopsis nipponica-female
ヒラズオオアリ(Colobopsis nipponica)のメス.大型ワーカーが頭で巣に蓋をすることで有名だが,メスも同じく裁断されたような顔面を持つ.
Colobopsis nipponica-male
同オス.オオアリと違って梗節がボコっとして目立つ.アリの梗節は鞭節と変わらない見た目のものが多いけど,コイツ含め一部はちょっと違う形をしている.そういうとこ含め夏に灯火で見られるアリではオオズのオスにちょっと似てる.

このページはそれっぽい種のそれっぽい写真が撮れたら随時追加しようかな.
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ