邑遊自適~好蟻性的俺~

昆虫(アリ)を中心に、たまにしょうもない趣味を綴っていく日記。 笑いなしオチなしでの~んびりやっとります。コメントやリンクも大歓迎です(リンクの際はご一報ください)。画像の無断転載はお控えください。

現在、採集した日本産アリ類(2014~)は162種(雌86種,雄48種)!!! 全てのアリをこの目に焼き付ける!!!

3日目.朝起きてすぐ車に乗り移動.本日よりメインの調査地へ行くのだ.ワクワク,採りたい虫はいるかな~?
…という気持ちが一番に湧いて欲しかったのだが,ハノイは朝から雨雨,雨.調査地とは少し距離があるものの,天気への不安が拭えない.
なんとか雨降らずにいてくれ……という思いとは裏腹に,車窓から見える景色はどんどん酷くなっていく.3時間かけて目的地に到着.宿舎付近では少しマシになっていたものの,雨が降らなければいいというものではない.下草が雨で濡れてしまってはスウィーピングができない.仕方なく宿舎のまわりを散策.
ハチを探して下草を見つつ歩いていく.ふと地面に目をやると,歩く一行が.
Leptogenys sp2-2
Leptogeny sp2
これはハシリハリアリ(Leptogenys sp.)だ!日本にも生息しているが,見たことはなかった.日本にいるやつよりも多分ずっと大きい.大体2列くらいになって綺麗に歩いていた.

地面は素晴らしいフィールドだ.首も痛くならないし,すぐ虫のそばに行ける.
Oecophylla smaragdina
今度は肌色の種.よく見るといっぱいいる.これも見覚えがある.図鑑やテレビでもよく見た.日本にいない,東南アジア感満載のアリ.
Oecophylla smaragdina2
ツムギアリ(Oecophylla smaragdina)だ.噛まれると痛く,更に蟻酸を吹っ掛けられるらしい.どれどれ,蟻酸の味見だ…と4匹ほど吸ってみるが,全然なんともない.よく考えると,ツムギアリはどこぞの一族の次男よろしく"戦いは数"なアリ.今回は数が足りなかったようだ.

落ち葉をかき分けると,ハリアリチックな顔が.
Odontoponera sp
これはOdontoponeraだ!(和名忘れた) 前胸にちっちゃい刺が生えている.これも日本にいない属のアリだ.この辺のハリアリはちょっとした違いはあってもおおまかなフォルムや顔は一緒なので,"ああ,君ね"という落ち着いた感想を抱く.よく見るとかっこいい.
Anoplolepis gracilipes
これはどこにでもいたヤツ.日本でも,沖縄に行けばまず見ない人はいないだろう.アシナガキアリ(Anoplolepis gracilipes)だ.アフリカ原産という話の外来種.こういうのがいると,海外感が薄れる….

散歩はこのくらいにして,黄色いお皿を設置しに奥へ行く.一苦労してお皿を設置し,一応網を持って極わずかな虫を採って疲れたのでこの日は終わり.夕飯時にはやっと雨が止んだが,夜中にザーザーという嫌な音を聞きながら寝た.

4日目.
imomusi
朝から爽やかに芋虫が出迎えてくれたが,未明の雨のせいでこの日も下草はビショビショ.
とりあえずトラップから目ぼしいものを回収し,少し明るくなったので林道を網持ち出動.

…やっぱり草は湿っている.スウィープしても虫が入らない.そして網は重くなる.
Polyrhachis sp
こういうカッコいいのもたまに見られた.トゲアリの仲間(Polyrhachis sp.)だが,日本の種の1.5倍くらいあった.東南アジアにありがちな腹柄にちょこっとトゲがあるだけの種じゃなく,前胸に前向きのデカいトゲがある.かっけー!
osazo
大きい甲虫はやっぱりいいね.オサゾウムシの仲間.上にカニムシを乗っけている.これを見つけた後に見つけた黒くて少し小さめのオサゾウにもカニムシが乗っていた.ベトナムオサゾウ界のトレンドだろうか?

ヒルとマダニが3連続で網に入ったところで萎えて網をしまう.ザルとバットを取り出し,林縁にしゃがみ込む.
しばらく篩うが,あまり虫は入らない.悲しい….
Brachyponera foreging
東南アジアはシロアリが多い.シロアリの巣が出てきて萎えていると,同じ木に営巣していたであろうオオハリアリ属の何かが,バットの上でシロアリを狩っていた.この光景どっかで見た.
最後に,戻りながら落ち葉・土をシフターに乗せて歩きながら篩っていく.歩きながら片手で土を掬いつつもう片方の手で篩うのは結構滑稽であるが,この方法で日本未記録科の虫を採ったのだから,意外と馬鹿にできない.

少し深く土まで取って次の落葉層を求めて歩き出したとき,シフターを持つ手の平に激痛が.あまりに痛くてバットを放り出してしまった.ああ,勿体ない.これまで取ってきた土がパーだ.散らばった土の上を細い黒いのがちょこまか動いている.ははぁ,コイツらの仕業か.
Leptogenys sp
ハシリハリアリの一種だ.どうやら雨をしのいで休憩しているところをお邪魔してしまったらしい.彼女らの怒りを収め(アルコールに入れ)ながら,刺された手を見ると,わりあい中心部を刺されたのに人差し指全体が痺れて動かない.結局成果は放り出してしまうわ人差し指は動かないわで散々な終わり方をしてしまった.
……しかも夜中に食あたりで腹を下してしまい,本当に散々な一日の終わり方をした.もう思い出したくないくらい辛かった.
このエントリーをはてなブックマークに追加

アリからのメッセージ 今井弘民 著 1988 裳華房 176pp.

引っ越し中,廃棄処分になるところを引き取った.
80年代後半に出た本らしいが知らなかったので,通学の時間を使ってだいたい1週間くらいで読み終えた.
内容は海外調査の思い出と研究内容の説明,保守的なお年寄りに研究を認めてもらえない嘆きと気鋭の若手研究者への批判で構成されていた.差別用語の多さは時代のせいか.

自分が(僅かながらも)勉強してきた分野と全く違う畑の方のお話だったので,とても興味深かった.対象一つとっても,色んな捉え方があることを知った.手軽に読めるのも良かった.
このエントリーをはてなブックマークに追加

人生初ベトナム8日間の滞在記……


書くこと・書けることが少ないので2日ずつ.
1日目.前日に家に泊めた友人を見送り,バス→地下鉄で一人空港へ.
vietair
3時間半のフライトは快適で,睡眠不足だったこともありついつい寝てしまった.
降りたあと,機内にCHCに関する研究の総説を忘れたことに気付き鬱に.スマホに入れてあるから見られなくはないが,冊子とPDFでは読みやすさがダンチである.
(文献.秋野順治・山岡亮平,2012.情報化学物質としての機能面に着目した昆虫体表炭化水素研究—活性評価の重要性と抽出・分析手法における留意点—.日本応用動物昆虫学会誌,56 (4): 141-149.)

空港で待っていてくださったカウンターパートの研究者の方の車に乗せてもらい,ハノイ中心部にあるVAST(Vietnam Academy of Science and Technology)へ.ベトナムと日本では2時間の時差があり,日本では既に夕方の時間だったがベトナムはまだまだお昼真っ最中.時間があるのでその中にある博物館でいろいろ標本を見せてもらう.
VNMN
夜は町に繰り出し,外食.メニューがベトナム語表記しかなく,店員さんも全然英語が喋れなかったので一苦労した(人のことは言えない).
久々にお酒を飲み,いつものように真っ赤になる.綺麗なホテルの大きなベッドは心地よく,11時には寝ていたと思う.


2日目.8時にお迎えが来て出発.水田を見て回るがウンカはいないし当然それに関係するカッコいいやつもいない.記憶にあるのはキサピンを摘まんだことと畔からずり落ちて痣を作ったことくらい.
場所を移し,田舎の古民家へ.ここは当たりで,木造のお家に大量のセイボウがいた.これまでクロバネ,オオ,あとなんか丸くてツヤツヤした系の誰か,の3種を合計10頭も採ったことのなかった私ではあるが,ここで20近くのミドリandクロバネをゲット.
seibo-
セイボウってこんなに採れるんだ…採っても採っても次から次に現れてきた.

そしてフラフラ飛ぶ細長いハチを発見,Gasteruptionかな?と思ってネットに入れると,それはツノヤセバチだった.
Stephanidae
やっと巡り合えた.私の人生初の短報はアリでもヒメバチでもなくこのツノヤセバチの仲間だった.しかし自分の採集したものではなかったため,いつか採ってみせるぞ,と意気込んでいた…ものの採集に出かけても気配すらなく,同行者は皆採ったけど自分だけ採っていないこともあったほど.採れてよかった.
その後同種っぽいオスも採れ,一種の満足感を得た.だが,その満足感もズボンにしがみつく多数のノミたちによって一瞬にして消え失せた.この21世紀において,これほどノミにたかられた日本人はそう多くないのでは?
Pulex
これまで採集したことがなく,目にする機会も多くなさそうなので全部回収した.

その後別の場所に移ったが最初のとこは超えられず,そこそこで終了.
以下見かけた虫たち(一部).
utiwa
日本にいるやつによく似たウチワヤンマ.持ってきた貴重な三角紙2枚の内1枚を1回目の採集で消費してしまった.
chrysome
ファンシーな模様のハムシ.数は多い.
Crematogaster sp
シリアゲアリ.訳あって100エタにドボン.お役に立てればいいが…
Aspidomorpha
テントウムシを思わせる模様のジンガサハムシ.けっこうでかい.


雨がぱらついていて,少し不安だがなんとかもってくれた.最初の採集は時間が短く,超楽しい!と思える採集ではなかったが,翌日移動する本命の採集地ではきっと素晴らしい虫たちが待っているはず!
天気さえ良ければな……明日も降らないといいなぁ,と思いながら寝た.
このエントリーをはてなブックマークに追加

日本に帰ってきました.


午後に標本が届く.中身が楽しみだが,これからソーティング地獄が待っているのにまたソートが必要な物を受け取ってしまった.自分の研究が全く出来ておらず,危機感.
このエントリーをはてなブックマークに追加

kumaa
準備も大詰め.
買い物に行ったが,売り場が分からず,店員さんに「W(さん)式ハチボトルってどこにありますか」とお間抜けなことを訊いてしまった.
無事発見し,明後日からW(さん)式ハチボトルデビューを果たせそうだ.
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ